大阪グルメ/大阪のフレンチ

ザ・ダイニングルーム(2ページ目)

「ANAクラウンプラザホテル大阪」にあるレストラン「ザ・ダイニングルーム(THE DINING ROOM french fusion cuisine)」。今回は、日本でも珍しい「なにわ伝統野菜」を使ったコース料理からご紹介します。

執筆者:麻生 玲央

浪速の伝統野菜(夜7,000円)コースより。


・大阪野菜のピンチョス
大阪野菜のピンチョス。
大阪野菜のピンチョス
まずアミューズとして供されたのは、「小松菜の冷製スープ(写真左)」、「トマトの雫(写真中央)」、「生食コーン(写真右)」、その他にも後述する「水茄子ジュース」が加わり、計4種類もの野菜カーニバル。どれも野菜の旨味分子をストレートに伝えてくれる仕上がりでしたが、特に「トマトの雫」は、印象的でしたね。写真の通り、色はトマトの赤色ではなく、無色透明。その訳は、トマトを絞らずにじっくりと時間をかけて、垂れてきた「雫」だけを、日本酒の雫取りとほぼ同じ要領で抽出されているのです。外圧をかけずに旨味エキスだけを抽出されるため、色は透明で、でも味わいはトマトの純度100%。一口で飲み干すと、淡い甘味の後を追いかけるようにトマトの青味のあるブーケが余韻を残し、何とも瑞々しい飲み口!

また、生食コーンは、泉佐野のゴールドラッシュという品種で、もぎたて☆フレッシュ! 生食できる鮮度と質の高さもさることながら、その甘さは特筆物です。これをスープではなく、あえて生食で供されたところに、シェフのセンスが光りますね。


もぎたてフレッシュ。
水茄子を贅沢にも絞ります。
さらに、シェフ自らが絞ってくださる「水茄子」ジュース! まさに絞りたてフレッシュ! フルーティな飲み心地は、水茄子と言われなければ、淡い甘さの果実汁のよう。僅かに塩とレモン汁が入っており、キュっとした酸味と塩味が水茄子の味わいを一層引き立てます。

水茄子。
これが水茄子の絞りたてフレッシュジュース。
また、これに使われている水茄子はもちろん泉州産で、水分率はなんと95%! とはいえ一般的な茄子は94%と、その差は僅か1%。でも水茄子は名前の通り、手で絞っても水分が出るんです! 一般的な茄子は、どんなに力強く絞っても水分は出ませんから、水分率はたったの1%の違いとはいえ、これが水茄子が水茄子たる所以なのでしょう。もし、家の冷蔵庫に水茄子と普通の茄子があれば、是非、家でも試してみてください!

☆野菜解説その一
水茄子は、泉州の特産品で、柔らかな身質と、生食できるクセのない甘い味わいが特徴。漬物でも美味しいです。

次ページでは、浪速の伝統野菜を使った野菜尽くし料理を御紹介します
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