スパイラルホールの初日
『ハリウッド・ジュテーム』の監督とプロデューサー |
今年は、10年以上にわたってスパイラルのフロアをにぎやかに彩っていた『バディ』のブースがなくなり(今までおつかれさまでした)、ホワイエはその分さびしい感じでしたが、BODY SHOP、LGBT Timpani(レインボーのアクセサリー)などのブース、ドリンク・バーなどはいつも通りで、平日にも関わらずたくさんの方たちが訪れ、いっしょにゲイ映画を楽しみました。
20時から『ハリウッド・ジュテーム』のプレミア上映が行われました。上映の前に『シングルマン』『スプリングフィーバー』の予告編とともに、第5回から第7回までパンフレットのデザインを手がけた(ボランティアでやってくれた)川久保さんの追悼フィルムが流れました。
『ハリウッド・ジュテーム』はLAを訪れたフランス人が主人公。太陽が燦々と輝き、マッチョなゲイやセレブだらけのゴージャスなLAのイメージとは異なり、必ずしもハッピーではなかったりする、リアルなゲイシーンが描かれていて、味わい深い作品でした。
終映後、監督のジェイソン・ブッシュマンさんとプロデューサーのチャールズ・ハーマン・ワームフェルドさん(『キューティ・ブロンド2 特別編』『KiSSing ジェシカ』の監督)のQ&Aトークが行われました。ジェイソンさんの、しゃべりはじめた瞬間にそれとわかるオネエっぷりがとてもチャーミングで、ほほえましかったです。そして、ジェイソンさんとチャールズさんは実生活でもパートナーなんだそうです。ジェイソンさんは「同じゲイの中にもインサイダーとアウトサイダーがいる。そのリアリティを描きたかった」と語っていました。(Q&Aセッションの模様はこちら)
スパイラル2日目~4日目
7月16日(金)に「ボーイズ短編集」と『双子のデュオ~アンタッチャブル・ガールズ』を観たのですが、どちらも本当に素晴らしい作品でした。また、最終回の『大変!息子がゲイなんて!』には大勢のゲイが詰めかけていて、二丁目かゲイナイトかといった趣でにぎわっていました。
「今年のボーイズ短編は、どれも必見!」と公式サイトに書かれていますが、本当にその通りでした。それぞれの作品のクオリティが高いっていう意味でもそうなのですが、中国、韓国、ベトナムと、アジア系の男の子が多数登場するので、そういう意味でも見やすい(親しみが持てる)感じがしました。特に、韓国の『ただの友達?』は、K-POPファン必見!なコメディでした。今まで暗い作品ばかりだった韓国にも、ついにこんな作品が登場したか!と感慨を覚えました。
『双子のデュオ~アンタッチャブル・ガールズ』はニュージーランドの国民的スターとなっているオープンリー・レズビアンの双子のデュオ「トップ・ツインズ」のドキュメンタリーでした。2人はカントリーからヨーデルまでいろんな歌で楽しませるだけでなく、男装したり、いろんなキャラクターを演じて(ゲイテイストとレズビアンテイストのいいとこどりという感じで)人々を笑わせ、トリコにします。そのパフォーマンスは世界でも通用するレベルで、実際、海外公演も行いました(スターへの道もオファーされましたが、彼女たちは断ったのです)
二人はご両親や周りの人たちはもちろん、農家のおじさんおばさんなどからも絶大な支持を得ていて、まだソドミー法(男性どうしの性行為を罰する法)が残っていた時代に反対運動の先頭に立ち、「トップツインズがいなかったらまだ同性愛は違法だったかもしれない」と政治家に言わせるほど、社会に大きな影響を与えたそうです。本当に魅力的で、素晴らしい2人でした。大きな勇気をもらいました。
レイチェルさん、マリコ・ローズさんらが登場 |