ユアン、きみを愛してる!
ジム・キャリー演じるスティーブンは、もともと妻子持ちで、職場のつきあいでゴルフなんてやっちゃう(フィリップに「ゲイがゴルフ? ありえない」とツッコミを入れられる)くらい、ノンケ的なタイプ。なので、確かにユアンとのキス・シーンなどはありますが、ゲイっぽさは感じさせません。ぶっちゃけ『マスク』といっしょ…いつものジム・キャリーなのです。
それに対し、ユアン・マクレガー演じるフィリップは、これがあの『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービと同じ人物なの?と目を疑うような、見事な「オトメ系」っぷりです。おおげさにオネエをぶっこくのではなく、おとなしくて優しくてちょっとだけなよっとしてる、「こういう人いっぱいいる!」「自分そっくり!」と感嘆するような、自然でリアルなゲイっぽさ。北島マヤもビックリです。
ストレートの俳優がゲイを演じる場合、たいがい、あからさまにオネエだったり女装してたり(『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハートや『プリシラ』の3人を思い出しましょう)、どこにでもいる男性だったり(『ブロークバック・マウンテン』の2人を思い出しましょう)というパターンがほとんど。女性に寄るか、男性に寄るか、です。
しかし、見た目はカッコいい男性でありながら、しゃべり方や仕草がちぃっとばかしやわらかくておとなしくて優しくてかわいらしい、そんなリアルなゲイの姿を演じられる人は、ほとんどいないと思います。
ゴトウ的にはこのユアン・マクレガー、アカデミー賞ものの演技だったと思うのですが(そう言えば英国アカデミー賞で『シングルマン』のコリン・ファースがゲイ役で主演男優賞を獲りました。本家アカデミー賞はノミネートだけでしたが)…みなさんはどう思うでしょうか? ぜひ観てみてください!