国際結婚/国際結婚アーカイブ

語学は劣るがクチは達者 [Communication5](2ページ目)

我が家のコミュニケーションの実態も振り返ってみました。夫はスイス人で、結婚当初はどちらの母国でもないカナダに在住。当時と今の夫婦間コミュニケーションの変化は……?

執筆者:シャウウェッカー 光代

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クチは達者な私

前ページの写真を撮ろうとして、セルフタイマーに間に合わなかった私(苦笑)
夫の英語力と私のそれでは、格段の差があります。今となっては、なぜカナダの英語学校で同じレベルのクラスに入れたのか、不思議なくらい……。

彼はその後カナダの大学で学位を取っているし、日常生活でも仕事でも周囲のカナダ人とコミュニケーションをとるのに何の問題もありませんでしたが、私自身は大いに問題ありだと自分で感じていました。

しか~し!
それでも口ゲンカをすると、なぜか私が勝ってしまうのです。前ページにも書きましたが、職業柄、言いたいことが日本語で論理的に浮かんでくるので、それを英語に直しても理路整然としているらしいのですね。それで相手はグウの音も出なくなってしまうのです。

このような状況を、私は自分でこう言っておりました。
「語学力は劣るが、クチは達者」
なんか言い得ているでしょ?

ただ、感情が先走っている時はやはり言葉になりません。言いたいことが言えずに黙ってしまう奥様たちの気持ち、よーく分かります。そんな時、私はもう日本語でぶちまけていました。内容は伝わらなくても、とりあえず勢いでこっちの怒りは伝わるだろう、と……。案外、効果ありますよ。

無意識に相手に期待するものは…

結婚生活において私が最初から心がけていたのは、同じ理由によるケンカを繰り返したくない、ということでした。だから何かトラブルがあった時は、どんなに小さなことでも徹底的に理由を話し合いました。何故そういう言葉を発したのか、何故そのような行動をとったのか、などなど……。私と考え方が違うと、それは彼がヨーロッパ人だからなのか、スイス人だからなのか、それとも個人の性格から来るものなのか、しつこく聞きました。

彼は今までそんなことをまったく考えずに生きてきたようですが、私に問われて、自分の性格やスイス人の気質などを深く考え、分析するようになりました。私にしても同じです。2人でそれぞれの文化の背景を、振り返って掘り下げる時間を意識的に持っていたような気がします。

一度、彼の態度に私がムカついて(詳しい理由は忘れてしまいましたが)険悪になりかけた時、しばらく時間をおいてから、何故そういうリアクションをしたのか聞いてみたことがあります。すると、彼の答はとても意外なことでした。
「その行動はスイス人にとっては普通のこと」だと言うのです。だから彼はケロッとしていたのでした。

そこでハタと気づいたのは、私は日本人なら当然するリアクションを、無意識のうちに彼にも期待していた、とういことでした。そして、彼がその通りにしなかったので、ひとりでムカついていたのです。
彼は彼で、スイス人として普通のリアクションをしただけなので、なんとも思っていなかった、というわけなのですね。

「なるほど、国際結婚での文化の違いの問題ってこういうことなんだ……」とその時改めて感じました。

最初の頃にこういう努力(?)をしてきたおかげで、その後はあまりケンカもしなくなりました。


ところが、現在は……


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