予測できなかった母たちの日本的な行動
唯一、姉だけが、食べ物ではない、小ぶりの洒落た日本的なお土産を持ってきました。さすがお姉ちゃん! 自身の経験から、こういったチョイスになったのでしょう。
そんな話を事前に母にもしてくれたらよかったのですが、離れて住んでいる姉にそこまで要求するのは酷というもの。彼女だって直前まで忙しく、成田で母たちと合流したのですから。菓子折りが4つ重ならなかっただけでも、よしとするしかありません。
やはり、私が何かアドバイスしておくべきだったと大反省しました。
しかし、その時の私には、母たちのそんな行動が予測できなかったのも事実。日本の贈答文化は理解していましたが、まさか海外の人にまでそれをあてはめ、3人とも同じようなものを持ってくるとは、想像もしていませんでした。
好意でわざわざ買ってきてくれたことは充分分かっていましたので、余計に、事前に気づかなかった自分を責めてしまいました。
お土産選びのパターンとは
日本の贈答文化にどっぷり浸り、継承している世代の母たち。スイスに行くにあたって、彼の家族や親戚に何かお土産を持っていくことは、ふつうに考えたでしょう。何にしようか、きっとあれこれ悩んだのだと思うのです。でも、結局は、いつも親戚の家などに持っていくように、お菓子でいいかしら…というところに落ち着いたのではないでしょうか。
相手がヨーロッパの人となれば、いくら日本に美味しい洋菓子がたくさんあるとは言っても、やはり和菓子を選ぶでしょう。焼き菓子だったら、日持ちもしますから。
(でも、本当は和菓子は難しいのです。アンコ系がだめな方もけっこういますので。)
そして、どのくらいのものにするか決める時、たいていの日本人が目安にするのは、価格です。東京や京都ならともかく、地元あたりの和菓子屋に、有名店とはいえ、そう高額なお菓子はありませんから、親戚に持っていくちょっといい物…と考えれば、3000~5000円の折りになるのではないでしょうか。
すると、たいてい大きさは同じくらいになるのです。そう、母たちが持ってきたアレくらいに……。
実際、お土産の菓子折りには、かなりの種類のお菓子が入っていました。案の定、両親の家でもなかなか無くならず、このまま賞味期限が切れてしまうのももったいないので、義母に断りつつ、私がせっせと食べていました。
祖父母の家に行って、キッチンに積まれた菓子折りを見るたびに、申し訳ない気持ちになったものでした。
私が大反省したこととは……