大きすぎる和菓子折り


そのとき、なにやら急に私の家族たちが動き出しました。どうも、それぞれが彼の家族にお土産を持ってきたらしいのです。それを配り始めた“動き”でした。

1つ2つならいいけれど……
そして、まず目に入ったのが母。地元の特産工芸品と、見覚えのある近所の有名なお菓子屋の和菓子の折りを持っています。しかも、けっこう大きめ。それを彼の両親に渡していました。
日本食は大好きな両親ですが、日本のスイーツはそれほどいただくわけではありません。

「ちょっと~、ソレ日本の親戚に持っていくような和菓子じゃない。ここは日本じゃないんだから~。それにその箱、ちょっと大き過ぎるよ~」と、ウェディング・ドレスを着て定位置に座り、なかなか動けない私は、心の中で母にツッコミを入れていたら、なんと同じサイズの箱を、今度は祖父母に持っていくではありませんか!
「おいおい、おじいさんたちは二人暮らしだよ! それに和菓子は食べたことがないと思う……」

母にそんな説明をしておかなかった自分を、ひどく後悔しました。
でも、まさか、そんな日本的な手土産を持ってくるとは(しかも、大きい)、夢にも思っていなかったものですから……。

後悔と落胆と動揺を抱えた私の目に入ってきたのは、さらに恐ろしい光景でした……。

見事なまでに“日本的な手土産”が結集!


従姉の一人が、同じような箱を持って、両親のもとに行くのです。
「う~ん、あの箱も見覚えがある。うちもよくいただいている和菓子だわ。私たちには美味しいんだけど……。それに、やっぱり大き過ぎるよ~」

彼女は私の母同様、両親にだけでなく、祖父母や日本での結婚式で会った叔母たちにも持ってきていました。

「あ~、やっぱり日本的な手土産を持ってきてしまったのね。しょっちゅう海外旅行をしている人だから、もうちょっと気の利いたお土産にしてくれるかと思ったのに……」と考えたとたん、もっと恐ろしい予感がしてきました。

「……ってことは、それほど海外には行ってないもう一人の従妹は、なおさら……」

ガ~ン! 私の“イヤな予感”は見事的中! またしても、同じような菓子折りを配って歩く別の従姉の姿が目に入ったのです。
これで、彼の両親、祖父母、叔母たちのもとには、大きい和菓子折りがド~ンと三段重ねに!
「あ~、なんてこと!」


親世代の行動&思考パターンは……