滋賀県長浜市の事件
去る2月17日、滋賀県で痛ましい事件が起きました。2人の幼稚園児が、同じ幼稚園に通う子供の母親に包丁で刺されて亡くなったのです。2人ともわずか5歳。この残忍な犯行が、グループ通園で幼稚園に行くはずだった車の中で、自分の娘の目の前で行なわれということが、人々にさらに大きなショックを与えました。
容疑者は、国際結婚して6年半ほど前に日本に来た中国籍の女性。母国では高等教育を受けて通訳の仕事をしており、英語と韓国語も堪能だったといいます。夫とは結婚仲介業者を通して知り合ったそうで、結婚生活に夢を抱いて来日したはずが、現実は……。
一部週刊誌などによると、当初は夫の両親と同居していましたが、嫁姑問題があったようで、ほどなく夫婦で別に住むことに……。しかし、その後も日本の社会にうまくなじめず、友達もできなかったそうです。
やがて精神のバランスを崩し、03年9月から05年10月まで、精神科や神経内科などに通院していたといいます。そんな矢先の犯行でした。
サインは出ていた
日本での生活にうまく適応できなかったことが、容疑者の精神状態の背景にあるようですが、新聞や週刊誌などの報道によると、以前からさまざまなサインは出ていたようです。
たとえば……
- 03年頃から家庭内で暴れるようになった。
- 04年3月頃、住んでいたアパートで、他の部屋に放火するという事件を起こしている(話し合いで解決し、警察には通報されなかった)。
- 精神状態がおかしくなると、暴れて家族の首を絞めたこともあった。
- 「中国に帰りたい」と言っていたことがある。
- 日常会話はできるが日本語のメールはまだむずかしく、幼稚園のお母さんたちが携帯メールでやり取りしているのを見て「仲間に入れてもらえない」と知人にこぼしていた。
- 最近は感情の起伏が激しく、突然カッとなることもあった。
どんな理由であれ人を殺すということは許すべからざる犯罪ですし、ましてや抵抗できない幼い子供を手にかけるとは言語道断です。容疑者を弁護するつもりはまったくありませんが、背景にあるこういった事情は、どの国際結婚カップルにも、多少の心当たりはある問題ではないかと思うのです。
容疑者が発していた信号に周囲の人が気がついていたら、身近な人間がもっと親身になって取り組んであげていたら、このような最悪の事態は避けられていたのではないかと、それが残念でなりません。
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