国際結婚100家族のドラマを紹介
『国際結婚100家族』 斉藤弘子、根本厚美 編 ¥2,100(税込) 明石書店 |
しかし、日本人家族でしたら、まわりを見ればいくらでもそのドラマを知ることができますが、国際結婚家族の場合、いくら増えているとはいえ、周囲にそれほど多くの例があるというわけではないので、なかなか実態が分かりにくいかもしれませんね。
それに、パートナーのお国によって、ドラマの展開はさらに大きく変わってきますから……。
この『国際結婚100家族』では、パートナーの出身国、カップルの年代、結婚の背景などが異なる100家族にインタビューを試みています。
メディアでよく目にする国際カップルは、相手の出身国がやや限られている感がありますが、この本ではそういった偏りがなく、いろいろな国の人との結婚を取り上げているのが大きな特徴と言えるでしょう。私から見ても、お国が変わると問題点も実にさまざまだなぁと感じ入ってしまうほどです。それに何といっても100家族の100のドラマは読み応えがあります。
破局例や差別についても取り上げる
本書は読みやすくなるよう、下のようなテーマ別のコンテンツになっています。1.出会い
2.愛情
3.手続き
4.先駆者
5.壁
6.別れ
7.本音
8.異文化
9.宗教
10.夢
お気づきのように、「6.別れ」では、残念ながら離婚に至った例も取り上げています。
また、「5.壁」では人種差別について、「8.異文化」では異文化の中でのアイデンティティ・クライシスについても触れています。
これらは一般メディアの国際結婚の記事では、なかなか取り上げられにくい問題なんですよね。どうしても“陽”の部分のほうにのみスポットが当たってしまう。
しかし、実際は“陰”の部分もあって初めて「現実」であり「実像」なのです。
この本は、こうした部分にも余すところなく光をあて、国際結婚の悲喜こもごものドラマを我々に伝えてくれます。
国際結婚を考えているけれど結婚後の生活がどんなものか不安という方、また結婚後にさまざまな問題に突き当たり自分だけではないかと落ち込んでいる方には、特におすすめしたい1冊です。
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