暮らしの歳時記/粋な振る舞い・和文化の楽しみ方

また会いたくなる、見送りの余韻

日々繰り返される出会いと別れの中で、この人と会ってよかった、同じ時間を過ごしてよかったと思えたら、また会いたくなるもの。その鍵を握るのが、別れ際の態度かもしれません。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

日々繰り返される、出会いと別れ

“また会いたい人”になれたでしょうか。
これからの時期は、クリスマスや忘年会、年賀状や新年会など、ご縁を深める機会が多くなります。あらためて、様々な人に支えられていることを実感しますが、思うように縁が結べず残念なこともあるでしょう。

日々繰り返される出会いと別れの中で、この人と会ってよかった、同じ時間を過ごしてよかったと思えたら、また会いたくなるもの。その鍵を握るのが、別れ際の態度かもしれません。まずは見送る側からみてみましょう。


出迎えvs見送り

「元気でね」
「また来るからね」
歓迎の気持ちの表れとして、出迎えと見送りがあります。両方できればよいのですが、なかなかそうもいきません。

もし、諸事情で出迎えられないのなら、見送りを大切にしてみませんか。例えば、駅まで出迎えてくれた場合と、見送ってくれた場合を比較したら、訪問してよかったと思えるのは見送りでしょう。

ビジネスでも、良い会社やお店ほどエレベーターホールや玄関先まで見送ることが多く、そんな振舞いに「お会いできてよかった」「来てくださってありがとう」というメッセージを感じるから、一緒に仕事がしたい、またこのお店に来たいという気持ちになります。


別れの“間”を大切にする

すぐに明かりが消されたら、どう思うでしょう。
玄関を出たとたんに鍵をかける音が聞こえてきたり、そそくさと電気が消されてしまったら、なんだか追い出されているように感じませんか?

別れを惜しむ気持ちがあれば、それが自然に“間”となって表れるため、そんなことにはなりません。「最後のお客様がいつ振り返ってもいいように、閉店直後に電気を消すことはありません」とある店の主人が言っていましたが、それは私達の日常でもいえることだと思います。


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