船橋屋のくず餅はなぜ台形?
黒蜜もきな粉も スプーンでたっぷり掬って 残さず食べたい |
「箸では黒蜜ときな粉が逃げてしまいますから」と添えられたスプーンで試食したところ、自家製の濃厚な黒蜜と、香ばしく煎り、粗めに挽いたきな粉がたっぷり絡んだくず餅がするんとスプーンの上へのってきました。
プリッとしたくず餅と、それに絡むたっぷりの黒蜜ときな粉。くどさがなくさっぱりとしていて、暑い日でも美味しくいただけます。
本店の喫茶室で食べられる 「よしの餅」 自家製のこし餡と黒蜜をとろり |
ここでふと、関東のくず餅をひと口食べて「うーん」と微妙な表情をした京都の知人を思い出しました。味噌やヨーグルト、チーズに好き好きがあるように、発酵食品である「くず餅」のわずかな癖が気になるのかなと思ったらそうではありませんでした。彼女の頭にインプットされている「くず=葛」が、「関東版」くず餅の食感を受け入れないのだとか。「音」や「文化」が味覚に与える影響は面白いものです。
乳酸発酵させた小麦でん粉と水、黒蜜ときな粉だけを使った「くず餅」は、美味しくて体にも優しい食べ物。関東以外の地域ではあまり見かけることがありませんが、他の地域にはない文化だからこそ、より大切にしたいと思うのです。
<店データ>
■「船橋屋」
亀戸天神前本店所在地:東京都江東区亀戸3-2-14
TEL:03-3681-2784
営業時間:9:00~18:00(喫茶室~17:00)
JR総武線亀戸駅より徒歩約10分
地図:亀戸天神前本店
◇予算:(2015年5月更新)
【喫茶室】
「くず餅」545円
「よしの餅」545円
【持ち帰り】
「くず餅」(カップお1人様用)432円
1-1.5人用720円
2~3人用825円ほか(以上税込)