「まな板」は濡らさない、「のし板」は最後に始末
A08▲:
そばの切り板(まな板)は、少しでも水気を含むとカビのリスクが高まる。そこで、ドライな状態を保ちながら始末するということが大切。
A09▲:
築地そばアカデミーでは、複数のまな板を収納するときに互いをくっつけないように気配りしている。このように、ポリカーボネイトの波板をスペーサーとして入れて空気の層をこしらえ、カビを防止している。
A10▲:
道具をひとつずつ始末していくと、最後に一番の大物のし板が残る。その上に散乱している打ち粉やそばのキレハシなどがをハケでこのように寄せて清掃する。
A11▲:
回収した残存物をこのように60メッシュ程度の篩で篩って打ち粉を回収する。篩を通らなかった残存物は廃毀してしまおう。
以上で後始末は完了だが、この作業はゆっくり行ってさしつかえない。
というのも、手打ちそばの「打ち立て」というのは、実は切り終えてから30分~1時間後のことを指すからだ。切り終えた直後の麺は、麺線の中の水が馴染んでいないせいか、釜や鍋の茹で湯の中に沈んでいかず表面に浮いたままとなるため茹でることができないのだ。
だから手打ちそばを打ったあとは、ゆっくりと道具を片付けて、薬味やの用意などをする時間が十分にとれるというわけだ。