そば/東京のそば屋

池之端で6代にわたって営む名店 上野・蓮玉庵訪問記(3ページ目)

さすがに文人墨客に愛された名店である。街がどんなに変貌をとげていっても、粋な暖簾をぶらさげ、いつも同じ表情で街角に佇んでいる。

執筆者:井上 明

高鳴る胸の鼓動をおさえ、暖簾をくぐる

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▲頼めば即座に提供されるお燗のセット
着席したら、なにはなくともお酒を所望。間髪を入れずに出てくるほどよい燗のころあいがよい。添物のあてに、 昆布が3-4枚。これだけで3合はいける。これがあると気分がぐっと落ち着くので、芳香を供する医薬部外品をちびりと噛みしめるように呑りながら、卓上のメニューをゆっくりと見ながら註文するものを吟味する。
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▲オトナ歓迎?世代不問の落ち着いた空間
伝統的な和風の外観店内はでありながらご覧のようなモダーンな空間。東大や芸大の先生はもとより、地元のそば好きのご夫婦連れにいたるまで、ご来店者のプロフィールが幅広い。
ご覧のように洒落たシツライである。世代を超えてくつろげる。
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▲熱々の玉子焼きがまたよし
玉子焼きは一人前としてほどよい大きさ。添えられた海苔の佃煮が医薬部外品の消費量を加速させる。ああ、ついに3本めも頼むことになってしまったじゃないですか。シアワセ。
出汁がよく効き、酒呑みにもほどよい甘さだ。
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▲しめは、キュートなおかめそば
寒い日だった。最後は種物を所望することにした。ご覧の通り、ここのおかめもなかなかキュート。旨く煮付けたどんこ、ハイグレードな上板。最後の一滴まで呑み干すことを誘うつゆ。くーーーっ、生きててよかった。
蓮玉庵、その店名の由来は、初代の八十八さんが、安政6年(1860)に不忍池の蓮を眺め、葉の上にまろぶ玉がごとき露にちなんだという。以来6代にわたって連綿と営業してこられた。この記事冒頭のあの風景は、八十八さんの眼にも映っていたかもしれない(ビルはなかっただろうけど)。

さあて、これからどちらへ。池之端のオーセンチックなBarへ? 白木が小粋な料理やで、もうすこし酩酊を愉しみましょうか


【蓮玉庵】 営業時間:11:30-16:00、17:00-19:30 / 日曜は 11:30-19:00 定休日:月  所在地:東京都台東区上野2-8-7   03-3835-1594
地図:Yahoo!地図情報
交通:JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線上野駅、東京メトロ湯島駅・上野広小路駅・仲御徒町駅、都営大江戸線・上野御徒町駅  駐車場:なし 料金:せいろ630円、おかめそば1000円
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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