デンマークの古い椅子と長野の木工作家のテーブル
店内の壁は清潔なオフホワイトに塗り直されていますが、天井の隅のカーブなどにかつての面影を見てとることができます。歳月を重ねてきた建築は、変化に富んだディテールが面白いのですよね。
すっきりとまとめられた空間の中で最も贅沢な存在は、大きな窓からふんだんにさしこむ陽射しかもしれません。陽射しの中にさりげなく置かれているのは、デンマークの家具デザイナー、ボーエ・モーエンセンによる穏やかなぬくもりと気品のあるシェーカーチェア。かつてはデンマークの王立学校で使われていたものだそうで、自然な美しいカーブを描く背もたれには、王立を表す王冠のマークとアカデミーのAの文字の焼印が残されていました。
その椅子たちにも窓からの陽射しにもしっくりと馴染んでいるのが、胡桃材を使った柔らかな風合いのテーブル。長野県在住の木工作家、柏木圭さんの作品です。食事を楽しんだり、本のページをめくったりするのに快適な使いごこちになるよう設計されました。