「天使の海老」を食す
料理メニューには約20品目があり、酒のつまみ的アイテムはオリーブ、自家製のパンや生チョコ、チーズがある。高級なものではフォアグラのテリーヌやソテー、フランス産キャヴィアがあるが、そのほかの単価はだいたい1000~1500円が中心と手頃だ。ゴダックがオーストラリアのタスマニア州で独自に開発したブランド牡蠣「キャッツアイ」を生で食べられるほか、ホタテ、真ダコ、サーモン、仔羊、もち豚、鴨、雛鳥、和牛といった素材を使用しており、調理法も多彩である。
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「天使の海老バーガー」をシャンパーニュと合わせる |
荒谷社長と綱木店長がお薦めのフードメニューは「天使の海老バーガー」である。海老の中でもグルタミンやプロリンなどのアミノ酸含有量が飛びぬけて多いという、ゴダックの看板商品「天使の海老」を歯応えのいい荒挽きで使用。隠し味に同商品の海老ミソを加えて焼いたパティが、アヴォカドとマヨネーズを添えてバンズに挟んであり、プリプリッとした食感としっとりした旨味が楽しめる。夜は単品で1600円だが午後の時間帯にはまったく同じ料理が1500円で前菜とデザートと共に提供されるというから、しっかりと食べ応えのあるランチとして値打ちだ。
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ふたつ割りにした天使の海老バーガーの断面から、あらびき状の食感が判る |
ワインにバーガーが合うのだろうか、という心配は無用。素材からくる自然な甘味と旨味が、なんなく上級ワインを引き立てる。シェフの高谷邦人氏によると「まるごと豪快にかぶりつくのが一番ですが、ばらして自由につまんでいただいても結構ですよ。ご希望でしたらシェアできるように半分に切ってお出しします」とのことだ。希望すればナイフとフォークを添えてくれるから、具を均等に食べたいなら切り分けながら西洋風に食べるといいだろう。この料理に合わせるワインは綱木氏のお薦めが「旨味がしっかりあるので、シャルドネや少し熟成した白ワイン」とのことだが、他にもシャンパーニュでさっぱりと食べたり、フルーティーな白を合わせても案外いける。
銀座にあって席料やお通しといった追加料金もなく、午後の早い時間から深夜までセルフサービスのワイン一杯だけでも立ち寄れる。上質素材を生かした料理とワインのマリアージュを自由に試すことができる、重宝な店である。