攻めるワインバー
独自の発想で高級魚貝ブランドを多数成功させた食通社長らしく、ユニークなサービスがある。まず、シャンパーニュは常時3~4種類をグラス売りしており、平日の5時半から7時半までは半額になる。700~800円台でボランジェなど有名シャンパーニュが飲めるのだから、仕事を早く切り上げこの店へ駆けつけてシャンパーニュを飲み干す若い女性たちが多く見かけられるのも当然というものだ。さらにシャンパーニュを飲みたい向きにはボトル売りで30種あまりのシャンパーニュを揃えたリストが常備され、ドン・ペリニョンからクリュッグやサロンまで、ゴージャスな銘柄が勢揃いする。
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エノマティックに納められたワイン |
だが他にも、グラス売りで300円から7600円(取材時)のワインが24種ある。店内に設置されたワイン・ディスペンサー「エノマティック」に、プリペイドカードを差し込んでセルフサービスである。ひとつのワインに3段階設定された量を選んでボタンを押せば、窒素ガスで酸化から守られたワインがノズルから自動的に注がれる。グラス売りのワインはカリフォルニアの有名ワイン「オーパス・ワン」とボルドーの頂点である五大シャトー(取材時はシャトー・ラトゥール)を定番にしているが、他はフランスとイタリア各地、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、チリや日本まで、さまざまな銘柄を備える。
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磨き上げたグラスが輝くカウンター |
セレクトする店長の綱木泰三氏は「有名なワインとお値打ちなワインを両方バランスよくそろえ、いろいろなブドウ品種をとり上げるなど、幅広いワインを楽しんでいただけるようにしています」と説明する。「リストはありますが、ワインはこまめに別の銘柄に変えています。銘柄は『ぐるなび』でアップデートしていますが、最終的にはお店ではディスペンサーに入ったワインをご覧になって選んで下さい」というから、毎回違ったワインが発見できそうだ。