ワイン/ワイン関連情報

チャールズ皇太子とコラボ:BBR(2ページ目)

英国の老舗ワイン商が、英国王室のチャールズ皇太子プロデュースの環境にと人に優しいワインを日本で独占リリース。皇太子のワインって、どういうこと?

執筆者:橋本 伸彦

プレステージあるワイン


BBRジャパンのジェネラル・マネージャー清水勇人氏
このようにBBRは王室などから広く老舗ワイン商として信頼を得ているが、本格的な日本進出は昨年からである。この会見でBBRジャパンのジェネラル・マネージャー清水勇人氏は、BBRの特質として「伝統、歴史、英国王室御用達、上質なもてなし、(ワインの)きちんとした出自」を挙げ、これらを生かして他社との差別化を進めると述べた。

これを裏付けるように会場ではシャトー・マルゴー1994年の試飲が行われ、会長室付取締役のランス・ジェファーソン氏は「この年は雨と霜の影響で収穫が半減し、特に9月の雨で果汁が薄まった非常に難しい作柄とされている。しかしこのワインはポテンシャルをよく引き出しておりエレガント」と解説。オフ・ヴィンテージとされる年のワインながら、生産者や保存状態が良いワインの滋味が感じられた。

冒頭の「ハイグローヴ」ワインは、グラン・プルボワと名付けられたキュヴェ。フランスはローヌ地方のシャトーヌフ・ド・パプ地区でもトップクラスの品質で知られる「シャトー・ド・ボーカステル」を営むペラン家が製造する。使用されているブドウ品種は、白がヴィオニエとマルサンヌ各半分ずつ、赤はグルナッシュ・ノワール主体でシラーとムールヴェードルを各15%加えている。

ワインは認証団体エコセールの有機認証を得ており、瓶詰めの際の栓はあえて「ポルトガルのコルクオーク森林を守るため、コルク栓を使用」という注釈がラベルにある。日本への輸入は赤白各50本ずつという少数ではあるが、1本2000円で販売されプレミアムワインとしてはかなり手頃な価格帯といえるだろう。

ハイグローヴワインのボトル。ラベルに見える紋章はプリンス・オブ・ウェールズ(チャールズ皇太子)のもの

環境に優しい栽培方法で作られたブドウから美味しいワインが造られ、売上は福祉に役立つという仕組みなのである。高貴な者は慈善に尽くすというのが欧米にみられる規範だが、このワインなどはまさに社会的地位の高い者同士の共同事業なのである。今後こうした取り組みが増えるか、そしてBBRジャパンがどのようにブランド価値を高めていくかを注視したい。


* 英国は王制で正しくは「チャールズ王太子」だが、慣習的に皇太子と呼ばれるため本記事では「皇太子」で統一した

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