ワイン/ワイン関連情報

6つのカテゴリーを利く:ポート

ポルトガルの甘口酒精強化ワイン「ポート」の試飲会で、異なるスタイルを味わったレポート。

執筆者:橋本 伸彦

ポート6種を試飲解説


ポルトガル北部のドウロ渓谷で栽培されたブドウから造り、ドウロ川河口の町ポルトから出荷されるワインがポート。ポートのプロモーションを行うIVDPから代表が来日し、東京・赤坂のヴィラ・モウラで報道関係者を対象に試飲会を開催した。ここではポルトガル貿易振興庁のオフィシャルワインスポークスマンで第4回ポートワイン・ソムリエコンテストの優勝者・中林正季氏が講師を務め、6本のワインを採り上げてその味わいやポルトガル料理を含むおつまみとの相性に付いて解説した。

IVDPマーケティング担当のPaulo Russell-Pinto氏(左端)、IVDP会長のLuciano Vilhena Pereira氏(中央)、講師の中林正季氏(右端)

最初に提供されたは、銘醸生産者として高い評価を得ているニーポート社が造るホワイトポート。樹齢60年を越す樹から手作業で収穫された複数の白ブドウ品種そして複数の収穫年から造られ、深い色合いと蜂蜜のような香りが凝縮感を期待させる。とろりとした口当たりでアルコール度数も高めだが甘味は控え目で、フレッシュで爽やか、軽快な風味が特徴である。

ニーポート社のホワイトポートは蜜のような色と香り

ポートのなかでは最も軽快で、食前やランチによく飲まれるというホワイトポートは、サラミやタラのコロッケにも、オリーヴにもよく合う。2番目のワインはフォンセカ社のルビー。ベーシックなルビーというカテゴリーは紫色がかった若々しい味わいを楽しむスタイルで、「ポルトガルではホワイトポート同様食前に飲むことが多く、フォンセカのルビーはしっかりした味わい」(中林氏)。ブラックベリーのコンフィや胡椒、カマンベールの外側のような白カビ香、そして赤身肉のような風味も少し感じられた。

つまみの一皿目は、左上から時計回りにサラミ、タラのコロッケ、オリーヴ

3番目のポートは同じくフォンセカ社のLBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)で、2003年ヴィンテージのものだ。先のフレッシュなルビーと比べ、4~6年ほど樽熟成させるため、乾燥プルーンのような果実味や濃密でなめらかな渋味といった凝縮感があり、ブラックペッパーやクローヴなどのスパイス香と酸味もしっかりある。こなれた味わいは、次ページのチーズのように味わいに脂肪や旨味が豊富なものと合いそうだ。

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