大海老の半割りを食す
さて料理だが、本来ブラッスリーは「ビヤホール」のようなものだから、喫茶店代わりにも使えるし、ビールだけ飲んでもいい。午後に腹が減ったら駆け込んで、テリーヌやオムレツなどの軽食を摂ってもよしと、自由に使えるものだ。だがここはひとつ、ディナーの時間にコースで食べてワインを飲んでみよう。前菜・主菜・デザートのシンプルな3品コースに、店長の藤川友哉(ふじかわ・ともや)氏にセレクトしてもらったグラス売りのワインを合わせることにした。
まずは前菜。鮮やかな朱色の卵をたっぷり抱えたオマール(ロブスターの一種)が埋もれるほど、季節の野菜のサラダをたっぷりと添えてある。オマールはぷりっと瑞々しく、野菜はさっくりと歯ごたえ良く、軽快なスタートである。ドレッシングがかけてあるが、皿に敷かれたバジル風味のソースをオマールの身にからめて食べれば、また違ったおいしさが味わえる。
ソミュール・ブラン(ドメーヌ・ギベルトー)2007年 |
そしてフランス料理には珍しく、料理がかなり手早く提供されるのに驚く。なるほどこの界隈でカジュアルなフランス料理を食べる客は、だれもが時間が有り余っているわけではない。さっさと食べて仕事に向かうとか、ワインや食後酒を飲みながら食後にのんびりしたいという人も多かろう。そうしたニーズにきっちりと応えているのだ。
次は、垂涎ものの主菜をご紹介しよう。