ワイン/ワインバー・レストラン

シンプルに味わう:ブラッスリー・オザミ(2ページ目)

東京駅から、そして有楽町駅から。ちょいと歩けばパリの食堂が待っている――ここブラッスリー・オザミなら、気取らず待たされずに、フランス食材の滋味がたっぷりと味わえる。

執筆者:橋本 伸彦

大海老の半割りを食す


さて料理だが、本来ブラッスリーは「ビヤホール」のようなものだから、喫茶店代わりにも使えるし、ビールだけ飲んでもいい。午後に腹が減ったら駆け込んで、テリーヌやオムレツなどの軽食を摂ってもよしと、自由に使えるものだ。だがここはひとつ、ディナーの時間にコースで食べてワインを飲んでみよう。前菜・主菜・デザートのシンプルな3品コースに、店長の藤川友哉(ふじかわ・ともや)氏にセレクトしてもらったグラス売りのワインを合わせることにした。

『オマールのサラダ』

まずは前菜。鮮やかな朱色の卵をたっぷり抱えたオマール(ロブスターの一種)が埋もれるほど、季節の野菜のサラダをたっぷりと添えてある。オマールはぷりっと瑞々しく、野菜はさっくりと歯ごたえ良く、軽快なスタートである。ドレッシングがかけてあるが、皿に敷かれたバジル風味のソースをオマールの身にからめて食べれば、また違ったおいしさが味わえる。

ソミュール・ブラン(ドメーヌ・ギベルトー)2007年
このサラダに合わせてもらったワインは、フランスはロワール地方にあるソミュール地区産の、黄金色に輝く白である。酸味がしっかりしたシュナン・ブラン種のブドウを使っており、ぱりっと辛口だがなめらかな果実感がたっぷり。こうしたコクそしてキレを兼ね備えた味わいが、オマールの食感や野菜の風味にピッタリだ。グラス売りのワインというと気が抜けていたり安ワインだったりして注文するのが怖いという人は多いだろうが、ここではそんな心配は不要だ。料理も本格的ならグラスで楽しめるワインも豊富。オザミ・グループの醍醐味である。

そしてフランス料理には珍しく、料理がかなり手早く提供されるのに驚く。なるほどこの界隈でカジュアルなフランス料理を食べる客は、だれもが時間が有り余っているわけではない。さっさと食べて仕事に向かうとか、ワインや食後酒を飲みながら食後にのんびりしたいという人も多かろう。そうしたニーズにきっちりと応えているのだ。

次は、垂涎ものの主菜をご紹介しよう。

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