赤ワインが織り成すバリエーション
ボルドー右岸の3地域、サン=テミリオンとポムロール、そしてフロンサック。ここではメルロ主体のやわらかいワインが多いが、カベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニョンのしっかりした味わいが加わることもあり、いろいろなスタイルがみられる。業界から多数の参加を得て大規模な試飲会が行われた日、この3地域のワインを紹介する『ワイン大使』フロランス・ヴァレーヌ氏を迎えて、ワインと料理と合わせるディナーが開催された。
今回は6つのグラスを2回使い、12ワインを7皿の料理と合わせた。(全て2005年産)
1. シャトー・ギボ『ラ・フヴィエーユ』 (ピュイスガン・サンテミリオン)
2. シャトー・オレリュス (サンテミリオン・グラン・クリュ)
3. シャトー・リポ (サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセ)
4. シャトー・ダレム (フロンサック)
5. シャトー・ルディエ (モンターニュ・サンテミリオン)
6. シャトー・ド・ラ・グルニエール『キュヴェ・ド・ラ・シャトリューズ』
(リュサック・サンテミリオン)
7. シャトー・サンジョルジュ (サンジョルジュ・サンテミリオン)
8. シャトー・カルト・コート・ドゲ (サンテミリオン・グラン・クリュ)
9. シャトー・ヴュー・マイエ (ポムロール)
10. シャトー・トゥルヌフイユ (ラランド・ド・ポムロール)
11. シャトー・アンジェリュス (サンテミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ)
12. シャトー・ジュネイム(カノン・フロンサック)
ワインの番号とともにあわせた料理を挙げていこう。
1~3にフォアグラのコンフィ、キューブ仕立て
4にリ・ド・ヴォーのキャラメリゼと巨峰
5と6にイサキのポワレ、ラタトゥイユ添え、ブールブラン・ソース
6と7に魚介のソテー、ブイヤベース仕立て
8と9にマグレ鴨のソテー、トリュフソース
10と11に黒毛和牛の赤ワインソース
12とマンステールなどチーズ
ボルドーの赤ワイン1ダースを食事を通して味わうのは疲れたかといえば、意外とそうではなかった。時間をかけて比較すると右岸のワインといってもさまざまな表情を見せる。5~7と12の比較的フルーティーなワイン以外はすべてデカンタージュ(他の容器に移す)して空気に触れさせてあったためか、若く強いヴィンテージでありながらやわらかく香り立ちよく飲めたことも一因だろう。ヴァレーヌ氏はレストラン側と綿密な打合せをして、この構成を練り上げていったのだという。個人的には8~10のボディがしっかりしたワインが、フレッシュながら芳香や調和がたっぷりと楽しめて、味わいの濃い料理ともよく釣り合っていたのが印象的だ。
気になる右岸の今年のヴィンテージについての説明があったが、降雨量は2005年と同様で、9月2~4日に雨が降ったが昼は30度、夜は18度程度。ポムロールなどでは9月中旬・サンテミリオンでは下旬、フロンサックはもう少し後に収穫が始まりそうで、昨年より1週間早く進んでいるという。かなり期待できそうだ。
関連サイト
■ Union des Syndicats de Saint-Emilion - Pomerol – Fronsac
(英語・フランス語)サンテミリオン・ポムロール・フロンサック・ユニオンのサイト
■ フランス食品振興会(SOPEXA)
ボルドーを含むフランス各地のワインのプロモーションを手がける組織