ワイン/特別な日の高級ワイン

デュジャックとヴィレーヌ:大物の共演(2ページ目)

ブルゴーニュの生産者から2軒が来日セミナーを行い、それぞれトップクラスのワインは最新ヴィンテージについて、さらに両者の共同プロジェクトについて語った。

執筆者:橋本 伸彦

アリゴテを極める

アリゴテ種で造る白ワイン『ブルゴーニュ・アリゴテ』はかつて、酸っぱくて洗練に欠けるものが多かった。だがヴィレーヌがブズロンで造る素晴らしいアリゴテを契機に、今から10年ほど前にはアリゴテを使うワイン地域『AOCブーズロン』として認められた。ドメーヌ運営に当たるのはヴィレーヌ氏の甥(妹の息子)であるピエール・ド・ブノワ氏。この仕事につく前は、パリで弁護士をしていたという。

ブノワ氏はアリゴテ種の可能性を追求する

2007年ヴィンテージの『ブーズロン』(左)と『レ・クルー』白
コート・ドールより標高が高め(270~350m)の畑は斜面上部が石灰質、下部は粘土質が多い。1986年から有機栽培を実践し、その10年後には認証を得ている。最近ではビオディナミ(シュタイナー的農法)に近い有機栽培を行う。畑で選果したブドウを温度制御のステンレスタンクで発酵、フードル(中型サイズの樽)主体で熟成させる。

2007年の『ブーズロン』は味わいにリンゴやレモンのような繊細な果実味が感じられ、すでに充分な深みと調和が味わえる。ド・ブノワ氏によると「難しいヴィンテージで、珍しくカビが発生したため畑で厳しい選果を行った。濃厚な2008年と比べて、純粋な果実味がある。酵母の澱とともに熟成させ、バトナージュは行わない。ミネラル感と酸味が充分あるので、熟成のポテンシャルがある」。

次の2007年『ブルゴーニュ・コート・ド・シャロネーズ レ・クルー』はブーズロンのすぐ南にある『レ・クルー』という名の畑で栽培されたシャルドネ種を使う。熟したリンゴ、香ばしさやほろ苦い柑橘の風味があり「ミネラル感のフィネスがある」とド・ブノワ氏。アリゴテ種については種類があり、一般的な「アリゴテ・ヴェール」に対して、ポンソやラファルジュなど少数の生産者しか植えていない「アリゴテ・ドレ」という種類で、しかも樹齢70年の古木を使うので、シャルドネのように長熟だという。

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