食材の群像ドラマ
続いて「旬菜」、盆に盛った数種の肴が出る。鯖松前寿し、茄子揚げ煮酒盗黄身あん、蓮根煎餅、煎り銀杏、海老磯辺揚げ、川海老、鶏香り双身焼。素材がさまざまだが、調理法も寿司、揚げ煮、素揚げ、焼物とバラエティー豊かである。アロイス・ラゲーデルの『レーヘンホフ』ソーヴィニヨン・ブランのミネラル感豊かな味わいで、それぞれの香りが楽しめる。次に、プチプチとした食感の「とんぶり」をまぶしたヒラメの昆布じめ、さいまきエビやウニといった生の魚介に、小さな結晶状のイタリアの岩塩を付けて食べる。合わせるイェルマンの『ヴィナーエ』は、リボッラ・ジャッラとトカイ・フリウラーノ、リースリングの3品種を同じ区画に植え、一緒に醸造した白である。
ハーブや柑橘類の香りがあるワインなので、添えられた香りのものと相まって爽やかなアクセントになる。また、岩塩のカリッとした歯応えやじんわりと柔らかな塩味がプラスされる。
焼物の鉢は渋い盛り付けだった>>