ワイン/特別な日の高級ワイン

東京の『シャトー』にて、ボルドーを飲む(2ページ目)

ボルドーワイン委員会の発案で日本の専門家たちが選んだ、手頃でおいしいワインのセレクション『バリューボルドー2007』。お披露目会場は、東京・恵比寿『シャトーレストラン・ジョエル・ロブション』だった。

執筆者:橋本 伸彦

生産者の来日と働きかけ

『バリューボルドー2007』の記者会見
『バリューボルドー2007』の発表に際しては、ボルドーを代表する3人が来日した。ボルドーワイン委員会からは会長のアラン・ヴィロノー氏とアジア輸出市場責任者のトマ・ジュリアン氏、そしてボルドー大学からドゥニ・デュブルデュー氏。他にもバリューボルドーに選ばれた5つの生産者が来日している。会見でジュリアン氏は、ボルドーワインの日本語ウェブサイトが9月にオープンする(現在はフランス語と英語)こと、日本でボルドーと提携したワインコースが開講することなどを紹介した。

デュブルデュー博士はボルドーを「(気候が冷涼な中で)限界に挑戦するからこそ、ブドウがゆっくりと熟してボルドー独特の風味になる。こうしたボルドーらしさだけではなく、飲んですなおに美味しく感じるような、渋味がなめらかで複雑さがあるといった飽きのこない味わいが求められている」と説明した。言ってみればボルドーの「渋い赤、さっぱり白」というイメージから、さらに消費者が楽しめる深みのある味わいが志向されているのだ。

ドゥニ・デュブルデュー博士が語る

飲んでみて分かる、お手頃ボルドーの味

トップのお値打ワインが注がれる
会見の後には選出されたアイテムの試飲会である。白は爽やかでちょっとした香りや味の特徴があるものが多く、赤は果実味が軽やかで酸味も充分なタイプが多い。特筆すべきは4本選ばれた甘口白で、ソーテルヌ、ルピアック、サント・クロワ・デュ・モンなどの地域のワイン。どれもセミヨン種からくる蜂蜜のようなコクが生かされながら、程よい甘さと花のような香りが心地良い。さすが専門家の評価だけあり、全般にかなり粒揃いのセレクションであることは間違いない。

この日、会見と試飲会が開かれたのは東京・恵比寿の『シャトーレストラン ジョエル・ロブション』。そして夜には、このレストランでディナーが催された。つまり、東京の『シャトーレストラン』でボルドーの『シャトー』が造るワインに、世界的シェフの料理を合わせるという趣向である。

ディナーの様子を見てみると……>>
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