安藤忠雄の新作には「スパイラルスロープ」
同潤会青山アパートがあった場所が、蘇った。安藤忠雄のプランは、地上部は表参道のケヤキ並木に合わせた高さの建物。これを地下深くへと拡張することで、思わぬ広がりと落ち着きを引き出したのが彼のアイディアだ。間口250mの帯状の敷地に、ショップのエリアは地下3階から地上3階まで。吹き抜けの周りに表参道を象徴する全長700m・勾配3度のゆるやかなスロープがらせんを描き、ショップたちをつないでいる。表参道に面した眺めのいい3階にワインが充実しているレストランが2軒。ワイズテーブルが経営するトラットリア&ピッツェリア『ザザ』は、大きなガラス張り部分から光が差す明るいフロア。オープンキッチンもあり、ナポリの下町風というよりピカピカのショールームのようだ。いっぽう、和食で知られる『宮下』が出店している『洋食MIYASHITA』は漆塗りのようなツヤのある壁、おだやかな味わいの洋食で落ち着いた雰囲気を醸し出す。