中国茶/中国茶関連情報

老人茶を見直す(2ページ目)

台湾功工夫茶を老人茶などと呼びますが、老人茶にはもっと深い意味があるのです。

執筆者:平田 公一

「老人茶」は生きている


そういえば、先月の後半に中国のとあるニュースサイトに「老人喝茶注意“早少淡”」という記事が載っていました。

お茶の身体に与える影響は、さまざまに論じられ、研究もされてきました。

どちらかというと、お茶は身体にいい!とか、たくさん飲んでも大丈夫なんていうものが多くて、脂肪分解とか効酸化作用があるとか、アレルギーに効くとか、様々に言われるお茶の効能ですが、この記事は、まさに、「老人には茶は有害」ということを説いている内容でした。

この記事で推奨しているのは、「年配者は1.茶は朝に飲め、2.茶は少量飲め、3.茶は薄くして飲め」という3つのことでした。

茶は夜飲むと眠れなくなるし、老人の場合は利尿作用も働き、夜中に何度もトイレに行く羽目に陥ることもあり、水分補給の意味も兼ねて朝一杯のお茶がいいのだとしています。さらに、朝飲めばカフェインの興奮作用ですっきりと目が覚めるということのようです。

また、一度に沢山の茶を飲むと心臓に不負担をかけ、カフェインなどが動悸息切れを招くことがあるともいいます。さらに、胃液が薄まり、消化不良、腹部の膨張感や腹痛をも招くので、一度に沢山の茶を飲むことは勧められないのだそう。

そして、茶中のタンニンは、体内の鉄分と結合しやすく、貧血などを起こしたり(妊婦や貧血症の女性が飲まないほうがいいといわれるのも、これが一つの理由ですね。)、さらにタンニンが食糧のたんぱく質と結合すると、消化しにくくなり、便秘になることもあるのだといいます。

そんなことを考えると、茶葉の成分が陳化した陳年茶を、少しづつの量を飲むという「老人茶」は、まさに老人向けのお茶だといえるのでしょう。

こうして考えると、なるほど、まさに「老人茶」というのは、ちゃんとした根拠のあったお茶の飲み方だったのですね。

こういう飲み方は、台湾や福建省などでも、現在もまだまだ日常のものとして生きているようです。

すっかり中年の域に達している私も、強いお茶ばかりを飲んでいないで、老人茶に手を出さないといけないのではと思う、今日この頃なのでありました。

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