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今年も「大紅袍」が戻ってきた!(2ページ目)

去年話題をさらった「大紅袍」。今年は「老叢水仙」、「武夷肉桂」のラインナップを加えて限定発売開始です。

執筆者:平田 公一

老叢水仙と武夷肉桂



今回は「大紅袍(だいこうほう)」に加え「老叢水仙(ろうそうすいせん)」と「武夷肉桂(ぶいにっけい)」も


大紅袍については、いまさらご紹介するまでもありません。福建省北部に広がる武夷山の一部の地域のみで作られる、「茶王」と称される特別な烏龍茶です。原木は毎年わずかな生産量しかなく、市販はされません。ここ数年は採取もされて無いと言われています。その原木から挿し木で増やした大紅袍も、非常に高価なお茶として珍重され、高価な値段がついています。

2008年度の大紅袍は、天候に恵まれ、香の良いお茶として収穫されたそうです。その大紅袍の茶葉を100%使用して、名誉茶師の方が、昨年よりもさらに「余香回味(ユイシャンホウウェイ)」にこだわり、香り、コク、キレを感じさせるお茶に仕上げたのだそうです。

今回初登場の「老叢水仙」は、水仙種といわれるやや大きな茶葉が特徴の品種のなかでも、特に30年以上の茶樹から収穫されたお茶。武夷岩茶の中でも、味わいのしっかりしたおいしいお茶として有名です。茶樹の高さは3~4mほどもあり、その茶葉は肉厚なのが特徴です。製茶されたお茶は、とてもしっかりとした岩韻があるお茶として、人気があります。

もともと建陽の大湖村、巌義山祝仙洞で産出された茶樹が、その後、武夷山に移植されたものです。清代からのお茶で、発見された大湖村の祝仙洞の場所にちなんで「祝仙」と名付けられましたが、その後、「祝」と「水」が同じ発音だったことから後に「水仙」と改名されたといわれます。

一方武夷肉桂は、気品ある味わいと濃厚な花の香りがするのが特徴の武夷岩茶です。四大名叢には入っていませんが、その品質は非常に上質で、1982年から連続して品評會で金獎を受賞したため、金奨肉桂とも呼ばれます。1989年には中国農業部全国銘茶コンテストで「全国銘茶」に認定されています。

肉桂とはいわゆる「シナモン」のこと。どうしてこのような名前になったかというと、このお茶の香りがシナモンのようだったからだと言われています。しかし、実際の香りはシナモンの香りではなく、甘い金木犀の花のような香りを持つお茶です。むしろ桂花(金木犀の中国語標記)の「桂」から名付けられたというほうがしっくりくるほど、香りの良いお茶なのです。

味わいもしっかりとして、口の中で香りと味わいが混ざり合い、岩茶独特の岩韻とよばれる余韻を楽しむことが出来ます。武夷山の岩からミネラル分をしっかり吸収した肉桂のパワーや香りの良さは清代から知られていました。1940年代になって量産されるようになりましたが、いまだに「奇種」(優良な品種のこと)として岩茶の中でも確固たる地位を築いているお茶だといえるでしょう。

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