34種類の岩茶を集める
会場はこんな具合に
ルピシアの取締役で『中国茶をもっと楽しむ本』などを監修している新名庸子さんによると、今回の岩茶フェスティバルの開催にあたっては、40種類以上の岩茶を集めるところからスタートし、量の確保や農薬などの問題をきちんと処理した結果、34種類の岩茶を試飲してもらうことになったのだそうです。
サントリーとのコラボレーションである「大紅袍」や武夷四大岩茶の発売という企画がありましたから、それに併せて開催することになったのでしょう。
さて、会場に入ると、中央を占領するように34種類の岩茶をサーブするカウンターが楕円形に設置されています。
小さなブースに区分けされており、それぞれ四大岩茶(武夷岩茶を代表する大紅袍などの4種類のお茶)、名叢(武夷山を起源とする茶樹)、単叢(武夷山の岩肌に自生した単一の茶樹に由来する茶)、品種(福建省、広東省などの名産地に由来する品種を武夷山で育成したもの)、新品種(武夷山で品種改良され近年生まれたお茶)のお茶がサーブされます。
ティーサーバーで大量の岩茶が淹れられる
お茶は、大きな楕円形のカウンターの内側でスタッフが細長い耐熱ガラス製のサーバーに、作業しやすいようにあらかじめメッシュの袋に小分けされた岩茶の茶葉を入れ、沸騰させたミネラルウォーターを注いで淹れる方式でサーブされます。
テイスティンググラスのかわりに白い小さな紙コップにお茶が注がれ、参加者はそれを順に飲み比べていきます。
今回の岩茶フェスティバル用に「小冊子」が配られました。これにさっと目を通すと武夷岩茶の由来、楽しみ方などを手軽に知ることができます。
そして自分の好みを知ることができるように、「テイスティングチャート」が掲載されています。これは、中央に武夷水仙という標準のお茶を配して、上方向に「どっしりとした・香ばしい」、下方向に「すっきりした・若々しい青み」という縦軸を、また左方向に「カラメル・焼きたてのクッキー」、右方向に「花、果実・フレッシュ」という横軸を伸ばしたグラフにそれぞれのお茶の位置を書き込んだもの。
たとえば「どっしりとした・香ばしい」と「カラメル・焼きたてのクッキー」の最も数値的に高い位置に「大紅袍」が、また対極である「花、果実・フレッシュ」と「すっきりした・若々しい青み」の最も数値的に高い位置には「金鳳凰」の印が付けられているといった具合です。
34種類のお茶を順番にすべて制覇した方も多かったようで、これらの茶葉は販売コーナーで購入することができるのですが、人気の高かった金鳳凰は初日に完売したほどの人気でした。
会場の一角には、人気投票コーナーがあって、取材をした2日目の午前中時点で1位が「金鳳凰」2位が「千里香」3位が「大紅袍」と、香りのよいお茶が上位を占めていました。
少量のお茶でも、34種類となると結構お茶酔いをした人もいたようです。会場にはそんな人のために、クッキーなどのお茶請けもつまめるように用意されていました。
会場の風景
お楽しみは試飲だけではありません。