世界のお茶の約半分程度が先進国へ。ケニアは近年世界最大の輸出国に。 |
生産地は東アジアが中心
大きく分けると、世界のお茶生産の7割強が東アジア(インドも含む)で行われています。2005年は中国が世界生産の26.7%、インドが26.5%です。ついでアフリカが14.3%でした。アフリカの最大の生産地はケニアで、9.4%を担っています。
輸出国はケニアが最大
中国、インドは生産国であると同時に消費国でもあるため、輸出に回せる分は相対的に少なく、最大の輸出国は、2004年度に引き続き、アフリカのケニアでした。輸出市場(2005年で153万1千トン)のうち、20.2%の30万9千トンを輸出していました。第2位はスリランカでした。中国、インドも、生産ほどではないのですか、輸出市場に貢献しています。
中国の茶輸出量もここ数年着実な増加をたどっており、輸出のほとんどが(2005年度では78%以上)が緑茶です。ただ、日本向けの輸出においては、紅茶が増加しました。
輸入国は?
生産では影の薄かった先進国ですが、輸入では、約半分程度を先進国が占めています。しかし、最大の輸入国はロシアでした。全体の12.8%を占めていました。第2位はパキスタン。パキスタンは隣国のインドや、スリランカとも自由貿易協定を交わしているにもかかわらず、大量の茶をケニアから輸入しているようです。第3位にようやく英国がでてきます。
市場の拡大に向けた提言
FAOのレポートは茶市場の拡大を目指し、いくつかの提言を行っています。そのひとつは、生産国における国内消費の拡大です。一人当たりの年間消費量が2.2キログラムの英国、1.26キログラムのロシアと比較するとインドは0.65キログラム、ケニアは0.4キログラムでした。また、お茶の健康面での効用に関する研究成果を活用し、普及に努めることも重要であることも指摘しています。
資料:FAO「CURRENT MARKET SITUATION AND MEDIUM TERM OUTLOOK」より
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