紅茶/ティールーム・カフェ

フレミングス メイフェア/ロンドン

イギリスでのアフタヌーンティーは観光名物に。予約もいらない、素敵なアフタヌーンティーが出来る場所をそっとレポートします。

桑原 珠玉

執筆者:桑原 珠玉

紅茶ガイド

忙しい街ロンドン。学生からビジネスマンまで、早足で通りをかけているようです。旅行でロンドンへ行くと、観光やショッピングに、そしてイギリスを代表するアフタヌーンティーへと出かけてみたいものです。

今や「アフタヌーンティー」のために予約が必要な場合もあるわけですが、旅先で計算通りスケジュールをこなすのは窮屈だしリラックスできないという方に、予約もいらない、とびきり居心地よいティールームをご紹介します。


1851年創業 フレミングス ホテル


Half Moon Streetにあるタウンハウス。
有名なフォートナム&メイソンから近いところ、ハーフムーンストリートに静かに溶け込むフレミングス ホテル。1851年創業の歴史あるホテルです。
予約は不要。ふらっと立ち寄り、ホテルの入り口を抜けフロントへ。「アフタヌーンティーをしたいのだけど」と告げると「エントランス脇のライブラリーか地下のレストラン、ニュードローイングルームのどこでも良いですが、どちらになさいますか?」と聞かれます。
せっかくだから「一通り見てから決めてもいいでしょうか?」とたずねてみてもOK。快く一緒に案内してくれますから。

ラウンジとして使用されているライブラリー。
ライブラリーと呼ばれる場所には、入り口のドアに「Library」と札が付けられていますが、実際にはラウンジとしてつかわれています。用意された気持ちよさそうな革張りのソファやアームチェアがここで過ごす人を待ちます。地下にあるニュードローイングルームには、ローテーブルを囲むソファやアームチェアが3つずつくらい並べられた小部屋がいくつかあります。他人を気にすることなくアットホームな雰囲気でティータイムが過ごせそうだ、とニュードローイングルームの一角を選択。


旅の疲れも忘れさせるアフタヌーンティー


見渡す限りでは、他に宿泊客らしき女性が2人でアフタヌーンティーをしているくらい。部屋がいくつかに分かれているおかげで、自分から他人が見えにくく、他人からも自分が見えにくいようです。別のテーブルからの声が届くこともありません。人、人、人のざわめき、食器のカチャカチャいう音を耳にすることもありません。

大きくて平べったいスコーンに出合うのは初めて。甘みがあるのでジャム無しでもさっぱりいただきます。
もちろんアフタヌーンティーで出されるサンドイッチやスイーツのどれもおしゃれで新鮮。サンドイッチはやわらかいスモークサーモン、ゆで卵、きゅうりとチャイブ入りカッテージチーズの入ったサンドイッチの3種類。プチフールやミニケーキはベリーのさっぱり感とチョコレートムースをあわせた相性抜群の味などの5種類。平べったいかたちをしたサルタナレーズン入りスコーンは暖かいまま届けられます。

独特のクロテッドクリームがたっぷり盛られ、その上にフレッシュなイチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、ほおずきがトッピングされています。ジャムは見当たりません。スコーンには甘みがあるからなのか、ジャムが無いことを気にかけながら一口。クロテッドクリームは軽めのタイプ。さくっとしたスコーンにクロテッドクリームとフルーツを乗せていただきます。新鮮なフルーツの酸味が口の中で広がるし、残るのであっさりいただけます。

全体の統一感を保ちながら、各部屋は置かれているテーブルやソファ、壁紙なども異なります。
紅茶はアフタヌーンティーセットにはブレックファーストと決まっているため、アールグレイ、ダージリン、アッサムといったセレクションから選ぶことはできません。しかし、ブレックファーストならば濃厚な味ですから、アフタヌーンティーのスイーツに圧倒されることのない、これぞ英国、という紅茶を楽しむことができます。

自宅でくつろいでいるような開放感、ゆったりとした空間で、ふかふかのソファに腰掛けていただくアフタヌーンティー。迎えてくれるホテルマンも気さくに継ぎ足し用のホットウォーターを運んでくれるし、世間話で思わずここがホテルであることを忘れてしまうくらい。
訪れた人はきっと、誰にも教えたくないアフタヌーンティーができる場所としてそっと心に刻むのでは。


■Flemings Mayfair Hotel(フレミングス メイフェア ホテル)
所在地:Half Moon Street, Mayfair, London. W1J 7BH
アフタヌーンティー:15:00~18:00
料金:お一人 12.50ポンド

「私どもはお客様のためにいます。」という言葉通りのホテル。きめ細かいもてなしが期待できます。また、ホテルの119ある客室の部屋のどれひとつ同じ部屋が無く、色合いなども考慮されているようです。

■協力:Flemings Mayfair(英語・日本語)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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