竹炭のパン
森のおくりものの、変わり種は竹炭を使ったパンです。 竹炭パウダーを塩より少なめに配合するだけというのに、イカ墨のような黒さにちょっと驚きます。磯の香りはもちろんのこと、焦げた匂いも味もしませんが。そもそもは、イカ墨のパンが流行った頃、お客さんから黒いパンのリクエストがあったのだそうです。けれど、イカ墨は個性が強い。香りや味の邪魔をしない、地元特産の竹炭の効能を調べると、健康に良さそうなので試作を決意、カンパーニュや、チーズパン、あんぱんに竹炭入りの黒が誕生したというわけです。
そばくるみあんぱん(250円)、竹炭あんぱん、プレーンあんぱん(各200円) |
プレーンチーズパン、竹炭チーズパン(各200円) |
竹炭のパンの一番人気はあんぱんです。お酒好きの男性にも好まれ、窯から出たての焼きたての熱々、モチモチのところを、店の脇の東屋(あずまや)でいただくのが最高、と地元のひとたちや観光客の人たちに評判のあんぱんです。 あんこ好きの増田さんが選んだオーガニックの粒餡は、意外にあっさりとした味で、自家製酵母種と国産小麦のパン生地ともよく合っています。
「ゆっくり過ごす」ひとの焼くパンの味
増田さんご夫妻の暮らしのテーマは「ゆっくり過ごす」。ゆえに週末のみの営業なのですが、 道の駅やJA直売センター、下田とうきゅう等への配達や、菜園や花壇の手入れに薪の準備と、平日も仕事がいっぱいのご様子です。でも、お二人で街に出れば食事を楽しみ、たまに遠出をしたり、新しい酵母を探したり、と彼らの第二の人生はすこぶる楽しそうです。ぶどうパン(600円) |
セーグルノアレザン(600円) |
森のおくりものを訪ねるなら、午後に一度だけの焼き上がりを待つお客さんにゆっくりくつろいでもらうためにつくられた東屋を忘れてはなりません。ここで熱々のあんぱんをほお張ったら、忘れられない味となりそうです。「東屋は多目的ホール。つくって良かったです。平日は作業の合間のお茶席に、季節を感じながら何か考える空間にもなります」と増田さん。
することも、したいこともいっぱい、という増田さん。第二の人生を気にいって楽しみながらゆっくり歩んでおられて、それがパンのおいしさになっているのだなぁと実感しました。
森のおくりもののパンは、下記オンラインショプでも買うことができます。
所在地:静岡県下田市横川1051-3
TEL:0558-28-1636
営業時間:14:00 ~
金・土・日・祝日営業
地図:Yahoo!地図情報
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