パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

メゾンカイザー 神楽坂

カフェを併設したメゾンカイザー神楽坂店は昨秋OPENしたばかりでもう既に町に溶け込んでいます。「ナチュラルでトラディショナル」を基軸にしたパンは相次ぐ出店でより多くの人の日常に入ってきているようです。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

メゾンカイザー神楽坂店

パンが並ぶ棚の裏側はカフェスペース。焼きたてのパンのほか、注文を受けてから作る各種サンドイッチ(499円)、エスプレッソ(300円)などが楽しめる。

東京ミッドタウン、西武池袋店など首都圏の百貨店を中心に、ここのところ店舗が増えているメゾンカイザーですが、神楽坂店はカフェが併設された小さな路面店。昨秋OPENしたばかりなのにすっかり景色に溶け込んで、町のパン屋さんらしい佇まいです。

飯田橋から神楽坂上を経由して行く散策を楽しむならば20~30分程度、直行するなら牛込神楽坂駅からすぐの距離に、お店はあります。

パン神楽坂(203円)はこの店のために作られたパン。ライ麦粉とフール・ド・セル(自然塩)を使用。メゾンカイザー各店には通りの名や地名をつけた「ご当地パン」なるものがある。

雨模様の日、外の黒板には雨の日サービスとしてパンを買ったお客さんにプチパン1個をプレゼント、とのお知らせが出ていました。雨に濡れたお客さんにはタオルが差し出され、おとなしくしている子供たちにはお菓子が振舞われ、なんだか温かい雰囲気。駅に近い百貨店の利便性はうれしく、わたしがいつも利用するのはそちらのほうが多いけれど、路面店には百貨店とは違った良さがあるようです。

クロワッサン(189円)大きめサイズでサクサク。最近ではパリのフィガロ紙でナンバーワンに選ばれたことと関係なく人気。

神楽坂店はパンを製造する場所と売場、コーヒーを淹れたりサンドイッチを作る場所とそれらを楽しむカフェが35坪の中にコンパクトにまとまっているのです。見渡せばすべて視覚に入ってきて、それがおいしい雰囲気となって伝わってくるようです。

「パン屋さんっていうのは真夜中から始まって、朝店を開けてから夜遅くまで、町の人たちにとってなくてはならない存在、町の一部となってなんぼなんです。高輪や神楽坂の店のスタイルが本来の、そして今後もあるべきパン屋の姿なんだろうなと思うんですね」メゾンカイザーを運営する木村周一郎さんは言いました。

バゲット モンジュ(294円)1日に300本売れるバゲット。

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