日本とフランス、新しいパンの可能性
オリーヴ・フロマージュ(294円)、プティイタリエンヌ(147円) |
サブロンさんの伝統的なフランスのパンと榎本さんが日本で培ってきた、フランス、イギリス、ドイツ、イタリアなどさまざまな国を視野に入れたパン、それらのセンスと技術。二人のコラボレーションで生まれたパンのラインナップは、日本のパンの新しい時代を象徴しているように思います。
赤坂店のカフェ専用に作っていたものが、あまりのおいしさにお客さんからの要望で店頭にも並んだ人気のパンがあります。 セミドライトマトとフレッシュバジルを練りこんだプティイタリエンヌと、プチパンが二個連結し、それぞれにグリーンとブラックのオリーブとタプナード、2種のチーズを使ったオリーヴ・フロマージュです。もちっとしたセミハードな食感とイタリアンテイストが身上です。
パン・オ・ルヴァン・フリュイ(850円) |
パン・オ・ルヴァン・フリュイはクランベリー、レーズン、カシューナッツ、アプリコットがぎっしりと詰まっています。対粉1:1のフルーツとナッツ! 贅沢なので薄くスライスして、ワインやチーズに、紅茶にと楽しめるパンです。
ブーランジェの作る、生地もおいしいキッシュ
定番であるベーコンとグリュイエルチーズのキッシュロレーヌをはじめ、サーモンとホウレン草、チキンとローストオニオンなど数種類のキッシュの生地はどれも濃いブラウンに焼けています。これは人気のクロワッサン生地でできています。「キッシュはアパレイユのおいしさで食べさせるのが多いんです。でもこれは生地までおいしく食べられる、ブーランジェの作るキッシュです」と榎本さん。
上段:キッシュ各種(525円)、下段奥:ビエノワ・サンド・キュリー(483円)、下段手前:リュスティック・ブリー・ド・モー(682円)他※実際はサンド専用の長方形のリュスティック。オープン前の取材のためリュスティック(小)で代用したものを撮影。 |
リュスティックのサンドイッチ
ハード系の中では皮が薄く食べやすいので、サンドイッチに向くリュスティックは、榎本さんも個人的に好きだというパン。彼のかつての師匠、松原さんや志賀さんがおいしいリュスティックを焼いていたことを思うと、これはもう絶対と期待したら、果たしてその通りでした。そして今は榎本さんオリジナルのテイストです。対粉80%の水分を含む弾力のある生地に、粉の持つ力強い味を感じます。 そんなリュスティックの味わいを大切に楽しむサンドイッチなら、チーズやハムのシンプルなものが一番ですね。
きなり色で、半透明の気泡があるリュスティック断面。大(315円)、小(105円)。 |
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