パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ラトリエ ドミニク・サブロン新宿(2ページ目)

【閉店】ラトリエ ドミニク・サブロンが2009年8月5日、新宿にオープンしました。前年赤坂サカスで話題を呼んだ1号店に続く2号店は広い工房を完備。経営するマキシム・ド・パリと実力と幸運のシェフブーランジェを先行取材しました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ドミニク・サブロンのスペシャリテ

最もドミニク・サブロンさんらしいパンを求めるなら、ブール・ビオ・オ・ルヴァンでしょう。

石臼の製粉ラインを持つフランス政府認定のオーガニック製粉会社、デコローニュ社の石臼挽き粉を100%使用、サブロンさんがフランスから持ってきた自家製の酵母でつくられたパンです。この酵母は柑橘果実とスパイス、タヒチ産バニラ、ハチミツと小麦でつくられているというから独特です。 焼きあがったパンの香りは素晴らしく、そのまま食べる味には酸味が感じられます。

ドミニク・サブロンのスペシャリテ、ブール・ビオ・オ・ルヴァン(840円)
トーストすると酸味はまろやかに変わる
大切な元種(左)、フランス産オーガニック石臼挽き粉(右)

バゲット 「ル・ブーランジェ」

ブール・ビオ・オ・ルヴァンとバゲット、ヴィエノワズリ類については基本的にパリのパンが再現されているそうです。それらはサブロンさんの厳しいチェックが入るそうですが、その他はほとんど榎本さんの手にゆだねられています。

フランスの再現といっても、フランス産小麦を使うばかりではなく、例えばバゲット「ル・ブーランジェ」には日本製粉とサブロンさんが共同開発した北海道産の小麦粉が使われています。ルヴァンを使用し10時間ほどの低温長時間発酵で生地に甘味を出し、毎日食べても飽きのこない味となっています。

上左:バゲット「ル・ブーランジェ」(357円)、上右:亜麻仁、ヒマワリの種などの入ったバゲットセレアル(367円)

ドミニク・サブロンの食パン

榎本さんが今までの経験を生かし、「もっとおいしいものを」とつくりあげた食パン型のパンは 上記写真の下段にあるようなパンで、牛乳で仕込んだパンドミー(546円)、ライの押し麦入りのパンドミー・セーグル(483円)の他、スペルト小麦を使用したパンドミー・エポートル(651円)、ブリオッシュ ナンテール(1050円)など数種類あります。

パンドミーは目の詰まったしっとり贅沢な質感。トーストすると表面だけがさくっとこうばしく香り立ち、ミー(中身)の部分にはふんわりとしたやさしい甘さを感じました。

ドミニク・サブロンのクロワッサン

赤坂で大好評だったクロワッサンはレスキュール社のAOCの発酵バターを使用した芳醇な味わい。生地の折り方は一般的に27層なのを、24層に減らすことで層の一枚一枚にほどよい厚みを持たせ、サクサクの食感に。イーストも減らし、生地の休ませ方を変えるなど工程管理にこだわっています。榎本さんは「そうすればもっとおいしくなる」というのを究めているのです。

クロワッサン(231円)

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます