全粒粉のパン
全粒粉とは、小麦粉の表皮、胚芽の部分も一緒に挽いた粉のこと。普通の小麦粉よりビタミンやミネラル、繊維質が含まれます。でもなんとなくモロモロした食感。香りもわかりにくい。「全粒粉のパンはぜひトーストして食べていただきたいです。焼くことで香ばしさが倍増、焼く前と全然違ってきます」栗本さんは言います。「全粒粉のハチミツブロート」は、ちょっと厚め(1.7cm)にスライスして、トーストしたら何もつけずに食べるのがおすすめだとか。ハチミツとマーガリンが練りこんであるので、焼けばそのままでOKなのだそう。確かに焼くと軽い食感になり、香りたちます。このパンは、ハムやリエットなどとも合いそうです。
全粒粉のハチミツブロート(全粒粉100%のパン)370円 |
全粒粉のハチミツブロート | 雑穀ブロート 330円 |
全粒粉専門のパン屋さんでも修業をした経験を持つ栗本さん。「全粒粉専門店はドイツでも異色。僕がいた町でもその店は何か違った光を放っていましたが、どうしても入りたくて戸を叩きました」ちょうど人手が足りなかったことが幸いして、2日間の試験期間を経て修業させてもらえることに。質実剛健なマイスター、でも温かな想い出がいくつもあるようです。ブロート屋に、他のパン屋さんであまり見かけない全粒粉のパンが多いのは、そんな理由にもよるのですね。
トーストブロートとマーガリン
トーストブロート(260円) |
トーストブロート(断面) |
全粒粉のハチミツブロートもそうでしたが、油脂としてバターでなくマーガリンを使用する理由は何によるものでしょうか。
「これは好みの問題です。バターだと濃く感じるのでマーガリンにしました。低トランス酸のマーガリンを使用しています」ということでした。ただ、油脂を使ったパンはほんの一部。砂糖や卵、乳製品をいっさい使用しない食事向きのパンが多いのが、ブロート屋の特徴です。
次のページでは農家のパンと朝食の思い出をご紹介します。