パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ブロート屋~ドイツパンの優しさと温かさ(2ページ目)

ブロート屋は全粒粉やライ麦粉を配合した素朴なドイツパンが取寄せできるお店。砂糖、卵、乳製品、油脂不使用のものが多いのに、全体的に重くなく、柔らかく、優しい食感。そのおいしさの向こう側を取材しました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

全粒粉のパン

全粒粉とは、小麦粉の表皮、胚芽の部分も一緒に挽いた粉のこと。普通の小麦粉よりビタミンやミネラル、繊維質が含まれます。でもなんとなくモロモロした食感。香りもわかりにくい。

「全粒粉のパンはぜひトーストして食べていただきたいです。焼くことで香ばしさが倍増、焼く前と全然違ってきます」栗本さんは言います。「全粒粉のハチミツブロート」は、ちょっと厚め(1.7cm)にスライスして、トーストしたら何もつけずに食べるのがおすすめだとか。ハチミツとマーガリンが練りこんであるので、焼けばそのままでOKなのだそう。確かに焼くと軽い食感になり、香りたちます。このパンは、ハムやリエットなどとも合いそうです。

全粒粉のハチミツブロート(全粒粉100%のパン)370円
全粒粉のハチミツブロート雑穀ブロート 330円
全粒粉のライ麦、亜麻の実、かぼちゃの種、白ゴマを練りこみ、 表面にひまわりの種を付けて焼いた雑穀ブロートは重厚感があります。こちらもハムや濃厚なチーズなどをのせたくなる味わいです。

全粒粉専門のパン屋さんでも修業をした経験を持つ栗本さん。「全粒粉専門店はドイツでも異色。僕がいた町でもその店は何か違った光を放っていましたが、どうしても入りたくて戸を叩きました」ちょうど人手が足りなかったことが幸いして、2日間の試験期間を経て修業させてもらえることに。質実剛健なマイスター、でも温かな想い出がいくつもあるようです。ブロート屋に、他のパン屋さんであまり見かけない全粒粉のパンが多いのは、そんな理由にもよるのですね。

トーストブロートとマーガリン

トーストブロート(260円)



トーストブロート(断面)
トーストブロートは、ウェブショップで買えるパンの中でも特にあっさりとした味わい、軽い食感でした。トーストして、朝食にサクサク食べたいパンです。

全粒粉のハチミツブロートもそうでしたが、油脂としてバターでなくマーガリンを使用する理由は何によるものでしょうか。

「これは好みの問題です。バターだと濃く感じるのでマーガリンにしました。低トランス酸のマーガリンを使用しています」ということでした。ただ、油脂を使ったパンはほんの一部。砂糖や卵、乳製品をいっさい使用しない食事向きのパンが多いのが、ブロート屋の特徴です。
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