EATALYのパン
わたしがEATALYのパンから受けた第一印象は、大小さまざまなルスティックに代表されるように、素朴で飾り気のない外観、積み重ねてもつぶれることのない、どっしりした重量感でした。まるでベーグルのように、むっちりと目の詰まった生地は、小麦の風味をストレートに伝え、それはさながら大地の味わいといったところ。ほのかな酸味が、他の食材(乳製品や肉加工品、料理)との相性の良さを想像させます。ミニサイズもありますが、こうしたパンの個性、味わい深さは、大きく焼いたものに、よりあるように思います。約350g(400円~550円程度)以上が、クラムをしっかり味わえるのでおすすめです。
大小さまざまなルスティックは200円~ 800円のルスティックは約800g |
左から、ルスティック(レーズン)、アンティキサポーリ(スペルト小麦などを使用した伝統的なピエモンテのパン)、ルスティック(シード類)、ライ麦パン |
左から、モルビデ(オリーヴオイルとトウモロコシ粉のルスティック)、マイス(トウモロコシ粉のパン)、トレッチャ(硬質小麦とそば粉のシチリアのパン) |
パン売り場に並ぶのは、 重量級ばかりではありません。ビール酵母を併用したフォカッチャは軽めの食感で、オリーヴオイルの風味ゆたかなパンです。それを軽く焼いてラスクのようにした「フォカッチャのグリッシーニ」(80g200円)もあります。オーソドックスな細長いグリッシーニは(ベーカリー内では)数種類。塩味が結構きいています。テーブルの中央においておいたり、アペリティフにするのに良さそうです。
EATALYのパンの友、ジャム、フルーツ加工品
生産者別にズラリと並ぶおいしそうなジャムやコンポート |
ベーカリーの手前の左の壁に沿って、ジャムなどフルーツ加工品の瓶詰めがズラリと並んでいる様は壮観です。
リグーリアの田園地帯で果物を自社栽培するダル・ピアン(オーソドックスなものから、季節の名前のついたミックスジャムなど、どんな味がするのかな?と思う魅力的な瓶詰めがたくさん!)、ランゲ地方アルバの、昔ながらの製法でフルーツを加工するヴィア・オステリア14、その他オーガニックフルーツの生産者などによる瓶詰めです。
次のページでは上質なパンの友、生ハムやチーズ、ワインについてご紹介します。