パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

アラン・デュカス~進化するbe(2ページ目)

フランス料理界の巨匠アラン・デュカスプロデュース、パンと食材の店be新宿店がメニューを一新。持ち帰りできるレストランの味、名脇役としてのパンそしてデュカスさんの幼い頃の記憶のパンをご紹介します。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

beのパン~パン ド アラン・デュカス

デュカスさんの子供時代の思い出の味”Pain Chalosse"はフランス南西部に伝わるパンで、もともと、パンを焼いた後の窯に残った小麦を無駄にせずに使ったものだったようです。 パン ド アラン・デュカスはこのパンを再現。石臼挽きの小麦粉に焦がした小麦粉を2割合わせています。酵母はイーストとルヴァンを併用し、長時間発酵でほのかな酸味と香ばしさを特徴としています。料理と合わせるのもよし、タルティーヌにしてもおいしいと思います。

もうひとつのおすすめはパンのセットです。料理に315円追加することでプティパン2種を選ぶことができます。少し小型化した人気の定番、開いた本の形の「リヴレ」か、塩味のうずまき「パン ア ラ フルール・ド・セル」のうちから1つ。そして「プティバゲット」、「ミシェット オ ソン」(セモリナ粉、ライ麦、ふすま入り)、「シャンピニオン オ セレアル」(ローストしたゴマ、亜麻仁、粟、ひまわりの種入り)から1つを選ぶ仕組みです。どのパンもシンプルながら味わい深く、料理の名脇役を務めてくれそうです。

パン ド アラン・デュカス(1260円)プティパン各種(168円~)
パン ド アラン・デュカス断面パン ア ラ フルール・ド・セル(189円)

今回のリニューアル、パンに関してわたしが感じたのは、日本の既存のパン屋さんに少ない「料理と共に愉しむ」要素が濃くなったということです。世界一流の料理を引き立てるパン。忙しいけれど豊かに過ごしたい日のパン。ちょっとトクベツな日の、ロマンチックな食事のためのパン。

「世界中の食に対する好奇心が旺盛で、知識もあってレベルが高い日本のお客さまに満足していただけるように、向上心を持って努力を続けること。それは我々にとって、刺激的なことです」デュカスさんは言います。時代にあわせたレストランから派生したひとつのスタイル、beの進化を今後も見つめていきたいと思います。

■be 伊勢丹新宿店

所在地:新宿区新宿3-14-1伊勢丹新宿店地下1F 食品特選街
2009年8月、閉店

【関連記事】
ブーランジェピシエ be【新宿】(2006.12)
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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