パン/パン業界情報、イベント

2008 エリック・カイザー製パン講習会

人気店メゾン・カイザーと日清製粉が共同開発した小麦粉、メゾンカイザートラディショナルを使ったパンとそのバリエーションの講習会をレポート。印象に残ったエリック・カイザーさんの言葉を書きとめました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

カイザーClub

All Aboutパン恒例、ベストパン人気投票でも毎年上位にランクインする人気店メゾンカイザーが日清製粉と共同開発した小麦粉、メゾンカイザートラディショナルの発売から3年が 経ちました。

日清製粉では昨年、メゾンカイザートラディショナルを使用または検討中の パン屋さんのためにカイザーClubという会を設立(現在の登録数は約200軒)、この2月には、エリック・カイザーさんによる講習会を開催しました。

講習会では、メゾンカイザートラディショナルを使った特徴の異なる4種類のパンとそのバリエーション、そして市場にあまり出回っていないサンドイッチが紹介されました。

エリック・カイザーさん(左)、技術顧問のローラン・ミエさん(右)
「生地を痛めないように、最良の状態になるように、大切に、やさしく扱ってください」とカイザーさん。

パン・ド・カンパーニュ

紹介されたパンの中でいちばんどっしりとした存在感があったのは、パン・ド・カンパーニュだったかもしれません。面白いお話をうかがったので先にご紹介します。
下の写真は小ぶりですが、他にも大きなブール型、クーロンヌ型などが焼かれました。どのパンもクープ、クラスト、クラムがそれぞれ違う美しい茶色の濃淡をみせてくれる、風味豊かなパンです。

「ヨーロッパで食べられているパン・ド・カンパーニュ(田舎パン)は大変興味深いパンだと思います。歴史も複雑です」とカイザーさん。 「カンパーニュの配合には厳密な決まりはなく、地方によって色などにも違いがありますが、よく発酵させたものでなくてはいけません。10%のライ麦を含むことが推奨されています」

パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)の仲間をいくつか教えてもらいました。
「パン・ペイザン」は田舎パンのもう一つの呼称。一般的にカンパーニュよりライ麦の配合がやや多めの20~25%。「パン・ド・メテイユ」は小麦とライ麦の比率が50%ずつ。「パン・ド・セーグル」はライ麦が65%以上のパンです。

地方による違い、料理との組合せなど実地調査したら楽しそうです。

「小麦の質と同じくらいルヴァンも大切です。200種類以上の香りのもとが混じりあっているパンの香りは、ルヴァンに左右されます。ルヴァンはパンを日持ちさせ、味、食感、気泡、そして香りをつくります」

次のページはパンのバリエーションをご紹介します。
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