パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

Traditional Bread ポラリス【三鷹】(2ページ目)

立川のムッシュイワンの小倉孝樹シェフが新しいベーカリーカフェをオープンしました。パン職人がメッセージを込めて伝統的な製法でつくるパン、おいしいパンが好きなだけ食べられるランチブッフェが人気です。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ランチブッフェ

ポラリスでは毎日11時から14時半(オーダーストップ14時)までパンのブッフェが人気です。一人840円でカフェスペースに設けられたブッフェテーブルからパンを好きなだけ、それにコーヒー、スープがつきます。コーヒーはウィーンの老舗マインル社のもの。たっぷりのスープは日替わりです。

ある日のブッフェのパンは以下のような感じでした。これで2/3くらい。ほかにはサンドイッチやベーグルなども並びます。いろいろ、たくさん食べたい人には嬉しいサービスです。

窓際にソファ席が並ぶハード系のパン数種類
チーズやナッツ入りもバリアフリーを考えた広々とした店内
パン屋さんのピザ小型の惣菜パン
ケーキのようなブリオッシュスイートなデニッシュも

本当のパン職人のつくるパン

今の日本、パンを食べる人は多くとも、店内で職人が粉から配合してゆっくり発酵の時間をとって、ひとつひとつ作りあげるパンの味わいを知らない人もたくさんいるという現実があります。職人の仕事が今より認められ、希望と誇りを持ってこの職につくことができる世の中を想いながら小倉さんはパンを焼いています。

さて、この三鷹のポラリスで、どのようにしてそのおいしさを伝えていくのでしょうか。そもそも小倉さんにとってパンのおいしさとは何でしょうか、お話をうかがいました。

小倉孝樹シェフ
「発酵熟成による風味と香りですね。一日冷蔵して寝かせておくともう焼く前からいい香りがします。職人は常に生地それぞれの持つ香りや風味を確認しながらパンをつくります」

「本当は中に入れるクリームがどうのというよりも、何より生地が大事なんですが、職人のつくる菓子パンは油脂もパティシエールも違うということも伝えたいと思うんです」

ポラリスではカシス、ブルーベリー、マンゴー、フランボワーズ、キャラメル、モカなど10種類ほどのクリームやピュレやジャムをつくり、菓子パンに使っています。

パティシエールや生地にブレンドすることで、さまざまな味の メロンパンやクリームパンが日替わりで登場します。ピンク色のメロンパン。モカ味のクリームパンなど、誰でも確実に違いがわかるユニークなパンの表現。それは、大手量販店のメロンパンやクリームパンより30円ほど高価な分の、職人からのサービスのようです。「まずはそんなところから感じ始めてもらえたら」と小倉さんは言います。

次のページは日替わり菓子パンやポラリスならではのハード系のパンの提案についてお伝えします。
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