製法の特殊性

「今までのフランスパン、バゲットとは別物という意識でかからないとすべてが覆されます。」
職人歴28年の牛尾さんでも、バゲットレトロドールをここまでにするのには相当な苦労があったようです。

スラントミキサー。 発酵させながら休み休み生地をつないでいく。バゲットモルダー。均一にガス抜きし成形を補助してくれる。

たとえば水。
ミキサーやモルダーなど機械設備を整え、厳格なルセット(給水率70%。イーストフード、ビタミンCはもちろん、老麺、天然酵母を使わないなど)を守ってもうまく焼けないことがあったと牛尾さんは言います。
「原因は水でした。結局あのバゲットをつくるのには作業性と風味の点で350度の硬水を使うのに落ち着きました。タンパク量が低い時など一晩寝かしている間にべたべたになってしまう生地をしめてくれるのが硬水です。
硬水には香りを閉じ込める性質もあるので香りも残ると思います。
すべてをミネラル水にするとコストが高くなりすぎるので VIRONでは2割の超硬水コントレックスを8割の普通の水で割って使っています。」

ゆるゆるとしてたっぷりの気泡が見える分割前の生地。
モルダーがなければ手や麺棒で。ばんばん叩いてガスを抜く。

たとえば空気。
今までのバゲットと最も違う点は、成型時に気泡を残さないよう徹底的にガスを抜くことかもしれません。

「この粉で美しい蜂の巣のような内相に焼き上げるためにはガスを抜いてしまいます。オーブンの石床に生地を置いた時、熱で縦に伸びるオーブンキックとよばれる空気の膨張が焼き上がりの美しい内相を作りますが、生地にガスが残っているとその気泡の上部分の生地には熱がうまく伝わらず、結果的に目が詰まってしまうからです。また、ガスを抜けば余計な発酵臭も抜けます。」 そういって、牛尾さんはばんばん空気を抜いていきます。まるでピザ職人。

「ピザの感覚ですね。260から270度で未熟な発酵生地をオーブンにぽんと置くことが口どけのよいバゲットをつくることになると僕は思います。」

ホイロ(最終発酵)は25~30分しかとらない。しめる必要はなく、できるだけ生地にさわらず、コルネのようにころがすことでのばす。そして25分であのバゲットが焼きあがるのです。

美しい半透明の蜂の巣状の内相

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