ドミニック・ジュラン氏
講師はノルマンディ出身、若干27歳でMOF(フランス最優秀技能者)になりアメリカに移住、西海岸のポートランドでサントノレ・ブーランジュリーを営むドミニック・ジュラン氏。 「レーズンとチーズのおいしいマリアージュ」をテーマに提案されたパンと焼き菓子は12品。それらすべてにカリフォルニア・レーズンを、一部にモントレージャックやクリームチーズなどのアメリカンチーズを使用しています。 今アメリカのパンは面白いのです。フランスのテクニックで披露されたアメリカの新しいテイストはどのようなものか、簡単にご紹介します。 カリフォルニア・レーズン種のパン
■カリフォルニア・レーズン種のカンパーニュ カリフォルニア・レーズンペーストを使ったスターター(酵母)は、レーズンを水につけて発酵させるよりも酸味がマイルド。丸ごと使うので無駄が出ません。そのかわり、粒のレーズンに比べて発酵力が弱いので種継ぎにライ麦全粒粉を使うことで補います。 ■モントレージャックとパンプキンシードのスティックパン モントレージャックはカリフォルニア州モントレーの酪農夫が生んだアメリカのオリジナルチーズ。焼いてもすぐ焦げてしまうことがないので使いやすく、溶けるとさらにおいしいセミハードタイプのチーズです。 上と同じ生地をスティックにすることでクラストのカリッとした食感と、溶けたチーズのソフトな食感とのコントラストが楽しめ、スナックとしてよいアイテムです。ガーリックなどのスパイスを加えることもできます。
■カリフォルニア・レーズンとクルミのライ麦入りブノワトン ブノワトンとはライ麦とレーズンをあわせたパンの総称。内相は緻密ながら重すぎず、どんなチーズとも好相性で、食事にあわせやすいパンです。 ■カリフォルニア・レーズンと胡麻のスティックパン バルサミコ漬けのカリフォルニア・レーズンが使われているパンです。バルサミコ漬けレーズンはカリフォルニア・レーズン100にバルサミコ酢14、カリフォルニア・レーズン濃縮果汁10の割合。甘酸っぱい味とレーズンが合い、焼成中に酸味は飛んでフレーバーだけが残ります。たっぷりの胡麻ともよく合います。 甘いパンと焼き菓子
■カリフォルニア・レーズンクラミック(紅茶漬けレーズン使用) クラミックはベルギーのパン。ベルギーの親戚からドミニックさんのご両親のパン屋さんに伝わり、それが今ドミニックさんのアメリカの店で売られています。 バターと卵は控えめですがブリオッシュに近いパンです。このパンには紅茶漬けカリフォルニア・レーズンが使われています。紅茶漬けのレーズンは1500gのレーズンを850gの紅茶(ティーバック5個)にあわせて室温で一晩置き、水分を切って使用します。パンをちぎると、紅茶のアロマがふわっとたちのぼります。 ■カリフォルニア・レーズンとカレーのガレット フランスではブルターニュやノルマンディのガレットが有名。フランスのシェフたちが認めるかはわからないので内緒で、といいながらドミニックさんが作ったのはなんともユニークなカレー粉入りのガレットでした。でも、カレー味とレーズンは合いますね。 次のページではシナモンロールやスコーンをご紹介します。→ |