シュトレン発祥の地、ドレスデンで12月の第一土曜に行われるお祭があります。 黒の制服の煙突掃除人、白の制服のパン屋が3.3トンもの巨大シュトレンと共にパレードをします。 もちろんこんな大きなシュトレンを焼く窯はありませんので、パン屋が5キロずつ持ち寄り、併せ集めて作るのだそう。 それは一切れずつ販売され、売り上げはドーム復興や小児癌の基金などに寄付されるということです。 パン屋のワッペンについて説明する舟田詠子さん ドレスデン・シュトレンを名乗るには、パン組合の検定試験があります。 それに合格すると、 売っても良いという印のワッペンをもらい、店頭にかけておきます。 「シュトレンについて人に教わり、ドレスデンで知り、ドイツ魂そのものだと感じました。 シュトレンはこんな魂が入っているものだということを思い出してほしいのです。」 舟田さんは最後に、そんな風に語られていました。 ドイツのパン屋は徒弟制度が厳しく、マイスターの称号を得てやっと店を持つことができます。 街で一番の早起き、職人気質を持ち、市民生活の中心となっているパン屋の存在。 数時間の講演の間に、ドイツのパン屋、そしてクリスマスがとても近くに感じられました。 【注釈】 注1:マジパンはアーモンドに煮つめたシロップを加え、糖化させたものを細かく砕き、ペースト状にしたもの。 固めの白餡のような感じです。 注2:ナツメグの種皮で、香りがより穏やか 注3:ショウガ科の植物の種 舟田詠子さん 東京生まれ。上智大学ドイツ文学科卒、ドイツ留学。 東海大学、千葉大学非常勤講師。 1978年来、世界各地でパンの文化を探るフィールドワークと、文献研究を行う。 代表作 『パンの文化史』(朝日選書) 『誰も知らないクリスマス』(朝日新聞社) 『パンの民俗誌』ビデオ作品(NHKテクニカルサービス) 【関連サイト】 舟田詠子のパンの世界へ 1ドイツの家庭のシュトレン 2クリスマスのブランチ/レシピ/シュトーレンorシュトレン? <関連記事> クリスマス伝統の発酵菓子、極上のシュトレン6選 ドミニク・サブロンのシュトーレン |
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