ドイツのクリスマスと伝統のパン菓子シュトレン

「今、日本のパン屋さんには世界中のパンが並んでいます。
イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アラブのパンなどなど、 こんなにいろいろなパンを食べている国は世界でも日本だけといってもよいかもしれません。 でも、世界の人びとがパンをどのように大切なものとしてきたか、という文化については あまり知られていないのです。」


そう語る舟田詠子さんはパン文化の研究者。20年以上にわたって、ヨーロッパ各地で実地調査と文献研究を行っています。

その著書『パンの文化史』(朝日選書)の中で、次のようなことが書かれているのを、興味深く読んだことがありました。

商品としてできあがったパンを食べることから始まった日本のパン文化は、作る側は売れ筋商品の開発、 食べる側はパンの珍しさや流行に目が向けられるだけで、どちらもパンの背景の文化をあまり見ない。 店には世界各国風のパンが並ぶのに、その資料は国内にとても少ない。

その舟田さんの講演に出席しました。 それは日本でも最近、クリスマスシーズンのパン屋で見かけることが多くなったシュトレンの歴史と伝統、本場のレシピや食べ方についての 現地取材のお話でした。

シュトレンとは、ドライフルーツやマジパン(注1)が入り、表面には粉砂糖がたっぷり。 どっしりしたケーキのようなドイツの伝統のイースト菓子です。


STOLLEN (シュトレン)の話
2002年11月26日 上智大学ソフィアンズクラブにて開催された
舟田詠子さんの「誰も知らないクリスマス」講演から


ドイツの家庭のシュトレン
舟田さんが初めてシュトレンに出合ったのは1976年。 ドイツの友人マルガレーテさんから送られてきた手作りのものでした。
毎年欠かさず送られてくるシュトレンにはクリスマスが来る実感、静かな感動があると彼女は言います。

マルガレーテさんのシュトレンは、ラップでぐるぐる巻きにされて12月3日くらいまでに届くのだそうです。 初めての年、すぐ試食してからお礼の電話をしたところ、「あら、もう食べちゃったの!駄目じゃない。」と言われ、 もう一度封をして3週間待って食べてみて、熟成の味の違いを実感することとなります。 ラム酒とマジパンの風味が馴染んだ生地の美味しさを。
 

舟田さんのお手製のシュトレン

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