1デッセム 2デッセム開発の展望 3製造工程とQ&A 昨年リスドォルミツが主催する最初の無添加パン講座 が開かれた時「それでは一体、どんな酵母を使ってパンを焼いたら良いのですか?」という戸惑いの声があがりました。 パン焼きの要となる酵母を厳選材料から自分で培養し、パンをきちんと発酵させ美味しく焼き上げる、 その気の遠くなるような過程を、趣味でなく日常の仕事として繰り返すのは本当に大変です。 先日行われた最終回では、参加者各々の手で食パンが実際に焼かれました。使用した材料は国産小麦、天然水、酵母種、そして少量の塩、三温糖、バターのみ。 良いものを作るということは実はシンプルなこと。シンプルだけれど大変なこと。 完全無添加、自然培養にこだわれば、美味しいパンを焼くためには熟練した技術と手間ひまがかかる。 けれど私達が簡単に美味しいパンを焼くことができたのは、大変さの大部分を解決する扱いやすい酵母種デッセムを使用したからでした。 リスドォルミツの廣瀬さんが作られたこの酵母種は、昨年発足し、中小企業創造活動促進事業所として都の認可を受けている有限会社デッセムから売り出しを予定されています。 酵母が扱いやすいということは、パン屋さんをはじめ、一般家庭で皆が安心な無添加パンを焼くことができるようになるということ。 わたしはデッセムが無添加製パンにもたらす素晴らしい可能性を感じました。 それではデッセムの特徴についてご紹介して行きましょう。
最初に一番気になる味について。 実際に自分で焼いたパンには癖のある香りや酸味はありませんでした。現在リスドォルミツで販売されているパンにはデッセムを広く使用しているそうですから、様々なパンに使用可能なのですね。 そして保存性。 デッセムは野性酵母の特徴として他の雑菌を寄せつけにくい性質を持つため、無添加にもかかわらずパンによっては焼成後も保存性が高いという利点があります。 デッセムの原料。 デッセムとはもともとベルギー北部フランドル地方の古い言葉で酵母の意味があります。これを自家培養する研究がリスドォルミツでは何年も進められていました。デッセムは資料では次のように示されています。 「無農薬、低農薬の全粒粉を2種類以上使用すること。山の湧水を使うこと。粉本来が持つ酵母を引き出すために他の果物などは一切使わない。湧水と2種類以上の粉を一定温度の所で発酵させ少なくとも3日以上この作業を繰り返して種を継ぎ足すこと。酵素剤、ベーキングパウダー、乳化剤等、もちろん一切無添加。このようにして出来あがった元種をデッセムと言う。」 欧米で発表された論文では癌やエイズ等の免疫力低下を阻止する効果がデッセムに期待できるとされているそうです。 気候や風土の違う日本で研究開発されたリスドォルミツのデッセムは無花果、レーズン、林檎の皮で起し、自家培養されます。 酵母種デッセム |