他にも酵母5種類と粉20種類ほどを使い分け、ここならではのパンが創造されています。
製法、素材と来て、さらに形もまたユニークだったりします。
例えば甘く炊いたあずきの入ったフランスパン、DAINAGON。 そのかたちには面白いエピソードがあります。 「対面販売だと背面の棚にパンを並べられますが、ここにはそれがないので、 遠くから見ても パン屋さんとわかるように立体的にしたいという考えがまずあって、 アイランドの台にエッフェル塔の形のワイヤーの飾りを作ってもらいました。ここにドーナツ型のクーロンヌなどを 掛けることにしたのですが、 他にも何か引っ掛けるパンを創ろうと思って、だから DAINAGONはフックのような形になったわけです。」 ここだけの味や形、新しいパンのイメージは、そんな機能面からひらめくこともあるし、 食事をしていて考えつくこともあるそうです。 「もちろん、パンは菓子と違って料理のアイディアを構築的には摸倣できないので、 空気や雰囲気を取り入れたりします。あとはブリオッシュとフォアグラのように お決まりの取り合わせを見て、それだけではないはず、とそれ以外の取り合わせを考えてみたり…。」 おいしさに国境はない、具材等に制約はないという志賀さんが焼くパン、今後も楽しみです。 今年の新作、フォルコンブロートにはドイツでは良く使われているけれど日本では 珍しいフラックスシード(亜麻の実)が入っているそうです。 ドライフルーツのパンやヴィエノワズリーもおすすめです。 瑞々しいクランベリー、アプリコット、レーズンがぎっしり入ったトロワ・フリュイセックと フランス産小麦を使った小さいショコラのデニッシュ、パン オ ショコラ ペペ、 そしてグリーンレーズンの入ったクグロフ・ルヴァンナチュールも わたしはとても好きです。 赤坂店でもこのような志賀さんのレシピだけではなく パリのペルティエのレシピ(大きい方のクロワッサンやパンオレザン等)であったり、 川崎のセントラルキッチンで作られているものもあります。 「セントラルキッチンで発酵の工程管理に力を入れ、工場で作るパンを変えていきたいですね。 工程管理がいちばん重要です。これからも常識破りでいきます。」 これからの計画として、志賀さんはそんなふうにおっしゃっていました。 |