パン/パンのおいしいカフェとレストラン

東京カフェマニア対談企画 パン@カフェVol.2(2ページ目)

『東京カフェマニア』の著者でサイト運営もされているサマンサさんとの対談の続編。フレンチトーストの話、カフェのパンのメニューに求めるものなど、魅力的なカフェについて語ります。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

カフェのメニューに求めるもの

M カフェのパンメニューに求めるもの、何かありますか。
私は夕食に食べても良いような、バランスのとれた定食的なものが欲しいです。 野菜や豆のたっぷりのスープと小さなバゲットサンドとか。

サマンサ 私も、パンのメニューは炭水化物中心の摂取になるので 食事にはパンのボリューム以上にたっぷりの野菜が欲しいなと思っています。 最近赤坂アークヒルズにできたデリ、「スープストック」は完全にスープが主役。 パンはおかずという感じで、けっこう嬉しいのです。
SOUP DELIディア・スープ流れの中で生まれたものだと思いますが、 スープそのものによりいっそう、力を入れているようです。

「カフェのパンメニューに求めるもの」
こういう質問に、説得力のある答えができればいいのだけれど、 なんか私、カフェにも、そのメニューにも、 こちらからこうして欲しいと求めるものがないんですよね。 だから理想のカフェは?と訊かれるたびに 「理想の結婚相手と同じで、本人に会ってみるまでわかりません」 としか答えられないのでした。 すみません、いつか、これぞ!という答えを見つけたいと思います。

M  前回おっしゃっていたような、「表現したいもの、味わってほしいものがある」という作り手の気持ち、 そのカフェらしい個性があって、それが自分の感性に合えば幸せ!というようなことではないですか。
これはまさに結婚状態かもしれない。
少し抽象的で難しい話になってしまいましたが理想は
ほっとできるいつもの味や場所とのハッピーデイズ!

小確幸あるいは"A Small,Good Thing"

M サマンサさんはいつカフェにいらっしゃるのですか。 たくさんの素敵な場所をご存知でいらっしゃるので。
ほぼ毎日どこかのカフェでお茶をのまれますか?
きっと「どうしてそんなにたくさんのパン屋を知っているのですか? 毎日違うパンを食べているのですか?」 と聞かれるようなものですね。 わたしはどれだけ食べ歩こうとか知り尽くそうなどとは 考えたことはないですよ(笑) パンは暮らしを楽しむ上での、わたしの小確幸(注)です。

(注:作家の村上春樹さんの造語。小さいけれど確かな幸せ。 余談ですが、村上さんは肉屋で出来立てのコロッケを買い、食パンに挟んで はむはむはむ、と食べるのがお好きだとか。)
「東京カフェマニア」のサブタイトルも"A Small,Good Thing"ですね。



サマンサ カフェに行くのは通勤途中のエスプレッソチェーンと、ランチタイムと、会社帰り。 これで1日に3回は行けてしまいますよ。それぞれがごく短い時間なのですけれど。 パンを楽しむもカフェに行くのも、生活の小確幸という点ではまったく同じですね。
パンのメニュー@カフェ。
人気のカフェが気取ったところでなく、普段の暮らしに溶け込んでいるように 普段の食事として安心して食べることのできる、そんなメニュー。 作り手の愛する、そのカフェらしい、個性的であたたかいメニュー。 そんなものが求められているのだと思います。

それにしても、パン好き、カフェ好きの会話は尽きません。 時代の中で失われていくカフェ、生まれるカフェ、その中で パンの存在は、どんなふうに変わって行くのでしょうね。
わたしも、サマンサさんのようにそれをそっと宇宙の片隅に記録し続けてみたいと思いました。

→パン@カフェVOl.1

関連サイト
東京カフェマニア
パンが美味しいカフェ(リンク集)


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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