さわだ外観「もっとも面白い武蔵野うどん店はどこか」とたずねられたら今は迷わず『さわだ』と答えるだろう。埼玉県入間市の住宅街を入っていくと手書きの看板が塀にぶら下がっている。入り口にのれんがかかっていなかったら通り過ぎてうどん店を探すかもしれない。車が無いとなかなか行きにくい店である。店に入ると右側が舞台のある座敷でこちらは禁煙エリア。禁煙エリアの舞台のある部屋。舞台にお茶の用意がある。左手も座敷で喫煙エリア。真ん中に厨房、そして奥に打ち場がある。また駐車場から来ると舞台のある部屋に直接入れる入り口がある。それにしてもこの舞台は使われることがあるのだろうか。さわだの謎の一つである。10年ほど前からうどん屋を営むというご主人。独特のうどん打ちをしている。さてその面白さはどんなところだろう。ラップの謎人気メニューは肉汁(にくじる)うどん。関東、武蔵野うどんを代表するメニュー。温かい汁に豚肉が入る。冷たいうどんをこの豚肉の入った熱い肉汁につけて食べる。始めは熱く段々とぬるくなるがその過程でうどんの風味が変わって感じられる。糧と呼ばれる野菜(ホウレンソウや小松菜が多い)が添えられることもある。さわだの肉汁うどんは正確にはもりうどん400円+肉汁50円となる。肉汁+大盛りのうどんこのもりうどんは蒸篭に盛られてくるのだが蒸篭とうどんの間にラップが敷かれてくる。前々から不思議だったが・・・ざるがうどんの水気を切る意味は全く無くなる。答えは食べ切れなかった時のお持ち帰り用ということだった。人によっては食べきれない量なのか・・・私は全く問題ないのだか・・・そう言っても確かにボリューム感はあるのだ。謎を解いたところでうどんについて続けよう。太い竹で打つ地粉うどん持ち上げても姿を変えない剛麺食べて見ると判るのだがかなりの剛麺である。洗練されているというよりワイルドで太さも厚さも均整の取れたものではないのだが汁に良くなじみ、噛み締めると甘みを感じるほどの小麦の香りが感じられる。粉っぽさとは違う鍛えられている旨みが感じられる。小麦粉は地粉の農林61号とのことだ。そのうどんの作り方だが一般的なうどん打ちとは手法が異なる。生地を団子の状態から直径10センチはあろうかと思われる太い竹筒で押しのばす。打ち台に固定された竹に体重をかけて延ばしていく。大きくなったら打ち粉をして向きを変えて畳んで端から押していく。うどんをこの方法で延ばしていくのは初めて見た。仕上は麺棒を使って延ばすそうだが、この太竹筒で1メートル四方程度まで仕上てしまう。麺棒を使って延ばすより早いという。最近は腕や肘などに痛みがあるという店主だが・・・確かにかなりの重労働だと思う。釜前に立ちながら時間を見ては延ばしていく。少しずつ生地を休ませながらの作業とも見えるが、夏場は釜の熱と気温の高さで生地の管理もかなり大変なことだろう。メニューもりうどんの量も多目先にも触れたが人気はもりうどん+肉汁。もりうどん400円大盛りうどん450円。男性はほとんどの人が大盛りを頼むようだ。肉汁は肉の入った椀と瀬戸物でできた湯桶が来る。椀の中は肉と多少の煮汁が入っている。この椀に湯桶から出汁を注いで自分で肉汁を完成させる。初めてさわだを訪問したときにこの出汁に気が付かずに、9割方のうどんをこの豚の煮汁だけで食べた失敗経験がある。出汁は鰹節の良く効いた少し甘めのものだがこのうどんに大変良くなじむ。肉うどんにも追加の出汁が付いてきた寒い時期には肉うどんも人気。かけうどんに豚のバラ肉が載る。うどんが温かいぶん少し食感が優しくなり表面が少し緩んで『すいとん』を思わせるような懐かしい味が楽しめる。1個50円の野菜天ぷらを添えるのも良いだろう。ごぼう、にんじん、たまねぎ、かぼちゃ、春菊から選べる。それにしてもかけうどん350円、かけうどん大430円と安い。肉うどん400円、肉うどん大450円となぜか大盛りの場合の比率が違うが・・・肉汁50円もかなり安く感じる。お茶はセルフサービスだがこれが実においしい。入間は狭山茶生産の中心地だけのことはある。お茶もここに来る楽しみの一つである。上手にお茶を入れてのみたい。急須がたくさん用意されているので自分用に専用に使えるのも嬉しい。埼玉を代表するうどん店の一つとして強く推薦したいお店だ。ご主人も体を労わってずっと続けて欲しいものである。【手打うどんさわだのデーター】住所:埼玉県入間市根岸461-1TEL: 04-2936-1726営業時間: 10:30~14:00定休日 日曜日、月曜日駐車場 有り 店の裏手に10台分程度Yahoo!地図情報さわだ付近※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。