うどん/稲庭うどん

銀座 佐藤養助 中央区銀座6丁目

稲庭うどんの佐藤養助直営店銀座にオープン。さすがの力量、稲庭うどんを堪能する。

執筆者:蓮見 壽


風格ある外観 銀座佐藤養助

秋田名物というと何を思い浮かべるだろう。
まずは美人。竿燈祭り、なまはげ。
食べ物ならきりたんぽだろうか。比内地鶏も有名だ。そして稲庭うどん。
変わったところでは『ばばへら』と呼ばれる路上アイスクリームがあるらしい。
何でもおばあさんがへらですくってくれるアイスクリームなので『ばばへら』と呼ばれるらしい。
なんだか平和でまた秋田に行ってみたくなる。
さて話をうどんに戻すと秋田といえば稲庭うどんである。お殿様に献上したといううどんは極上手延べうどん。
その製法は一子相伝で長らく門外に出なかったものである。今でこそ佐藤養助の尽力で秋田名産品として稲庭地区特産のうどんの総称ともなっている。
その稲庭うどんの大看板『佐藤養助』が2006年年12月に銀座に出店した。

佐藤養助 銀座店


稲庭うどんは手作りの手延べうどんの乾麺だ。佐藤養助専用の小麦粉を手で捏ねて切り出して綾かけしていく。いくつもの行程を経て干しうどんにする。
完成までに4日かかる。一部手延べの工程を秋田の店で経験したことがあるが、なかなか面白いものである。一つ一つの作業の後にうどんを休ませる時間が要るのでわずかな時間では完成できない。うどん作り体験の後には職人さんが後工程を仕上て自宅へ送ってくれる。そんな手作りの経験を思い出しながら銀座の佐藤養助を愉しんだ。

比内地鶏の焼き鳥
比内地鶏焼き鳥でビール。臭みの無い身の締まった焼き鳥は旨みが強い。脂が強すぎることも無く予想したよりさっぱりとした食感。ビールが進む。

せいろ(冷)とかけ(温)のセットメニュー
食前の軽い一杯が食欲を呼びさます。冷温味比べをこの日はいただく。醤油つゆにせいろうどんと温かいかけうどんのセット。
つるりとした喉越しが嬉しい。稲庭独特の強いコシと喉越しの爽快感が味わえる。温かいうどんは一転ダシの上品さと優しいうどんの食感が特長。
ふわりと喉で溶けてしまいそうな儚さを感じさせるように落ちていく。鰹と昆布のダシが追いかけていく。体に優しい。

ランチタイム


ランチタイムは11時30分から15時まで。鳥飯のサービス付き。定番のせいろを醤油つゆとごまだれつゆの二つの味で愉しむ。

せいろ大盛り美しい麺線
うどんは大盛りにしてもらう。秋田の本店で食べた味に勝るとも劣らない完璧な茹で加減、締め加減。盛り付けもパーフェクト。このつけつゆかまだ心憎いほど美味い。醤油つゆの一本芯の通ったはっきりした味は甘からず、辛からず稲庭うどんの本領を発揮させる。またごまみそだれは香ばしくまろやかな旨みで稲庭うどんの楽しさを演出してくれる。焦らずゆっくりと啜りこみたい。見かけほど急激に劣化しないのも稲庭うどんの特徴の一つだろう。だからといっておしゃべりに夢中になって箸をつけないのはこれ、厳禁。(笑)

せいろ2味醤油つゆとごまだれつゆの2種付き
落ち着いた店内で一人でも静かにうどんが楽しめる。ランチとしては1000円以上の少し高価格帯になるかと思うが銀座という場所、そして食事を愉しむという環境を考えると許せる価格だろう。
食べ物をただ口に放り込むという所作と食事の違いを実感することができるだろう。
乾麺だから何処で食べても同じではない。茹でや締め、そしてダシやつゆの出来映えが美味しく食べるには必要な条件となる。
さすが佐藤養助が出した銀座店である。

夜はうどんの他に秋田の美味しいものを取り揃えた宴会モードのメニューも充実する。こちらも愉しみたいものである。

【銀座 佐藤養助DATA】
東京都中央区銀座6-4-17出井本館1F
TEL:03-6215-6211
月~金・ランチ
11:30~15:00 ラストオーダー 14:45
月~金・夜の部
17:00~02:00 ラストオーダー 01:30
土日祝
11:30~22:00 ラストオーダー フード 21:00 ドリンク 21:30

銀座佐藤養助のサイト

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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