フレンチ/東京のビストロ

ブラッスリー・クール(渋谷)(2ページ目)

渋谷は道玄坂から神泉にかけてグルメスポットはどんどん拡がっている。ガッツリとした料理が楽しめるクールはベタさがないまさにCoolなフランス食堂だ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

ビストロ料理の王道を

サラダクール
バラエティに富んだ素材が満載
スモークされたタスマニア産サーモンは燻し加減がいまひとつにも思えるが、サーモン自体のクオリティはさほど悪くない。サラダ・クールは白レバーのムース、ラタトゥイユなどが乗ったメリメロチックなサラダだ。そこそこのボリュームなのでこの料理はシェアして楽しみたい。

ワインは3800円から用意されているが多くは5000円前後に価格帯を集中させ、産地毎に過不足なくオンリストされている。

バスク豚
塩加減に弛みがなく印象に残る料理だ
バスク豚のコンフィはなかなかの食べ応えだ。肉全体を塩で満遍なくキリッと締め上げ、ゆっくりと火を通した豚はややパサついたコンフィならではの食感に白ワインが実に合う。今宵のワインはとてもフルーティーなクローズ・エルミタージュ07年。濃厚さを想像していたが、さらりとした味わいの優しいワインだ。アタックの物足りなさは温度を上げることによって解消され、食後に残り一杯になったところでマダムが再度冷やしてくれるあたり、そのさり気なさがとても嬉しい。このワインは実にお薦めである。

ウサギのブレゼ
ボリューム感も十分
ウサギのブレゼは相当なボリューム感だ。ポトフ仕立てになっているようにも見えるが鶏肉を凝縮した感のあるウサギを上手に蒸して食べ易い優しい味わいに仕上げている。ウサギを食べたことのない方はこの機会にぜひ。

食後には若いソーテルヌを。果実味がほんのりと漂い、食後の余韻をゆっくりゆっくり記憶に刻んでくれる。

ビール主体で朝から深夜までやっているブラッスリーという形態と気軽に郷土料理が楽しめるビストロというジャンル訳にこだわるわけではないが、なんとなくビストロ・クールというようにも思えるが、それはおせっかいというものだろう。

ブラッスリーというと賑やかで騒々しい印象を持っているのだが、以前に取り上げさせていただいたブラッスリー・モリも何故かブラッスリー感がない。

食後酒
若いソーテルヌに味覚が覚醒する
クールはカウンター席がお薦めだ。お一人様も多いようだ。馴染みの客がシェフとあれこれと料理談義に花を咲かせる。そうでなくても「動き」を見ているだけでも楽しいだろう。最初はクールな印象のマダムもこちらが酔ってくると、いい感じの距離感あるサービスに思えるのだから不思議だ。

場所柄夜遅くに食事を取る方も多いと聞く。ラストオーダーが23時半というのも有難いし、休日のブランチも楽しめるのだからさらに使い勝手がいい。特に春や秋といった季節はテラス席が人気に違いない。

ボリュームがあるので2人で出かけた場合、前菜2皿、メイン2皿で十分か。スパークリングワインと6500円のワイン1本飲んで合計15000円程度。満足度はそこそこ高い。

■ブラッスリー・クール
住所:東京都渋谷区円山町10-14
地図
電話:03-3464-6571
営業時間:ランチ 11:30~15:30
     ディナー17:30~25:00(LO 23:30)
定休日:火曜日

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