フレンチ/東京のレストラン

ヒロミチ(恵比寿)(3ページ目)

昼は明るい陽光が差し込み、夜はシックなワインレッドに染まるHIROMICHI。シュマンの料理長を長く務めた小玉シェフ、満を持して自分の城を構えました。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

美味しい顔の料理人

次なる前菜はスクランブルエッグの上に乗るバルサミコ風味のウナギのブレゼ。十分に煮込まれたウナギは食欲を更に高めるに十分な出来栄え。しかし、食べ進むにつれ下に敷かれたエッグが段々と重くなり、少し飽きが生じてしまう。ただし、赤ワイン、ジャンティアルのリュリーがそれを助け、着地点まで運んでくれるのだから嬉しい限りだ。
うなぎ
メインはタスマニア産の生後一年の仔羊ロースト。フランス料理のメインディッシュの王道とも言える料理だが、さすがアラカルトだけあって堂々としたもの。肉はこれくらい喰わないと食べた気がしないかも。バジルのソースとシンプルなマスタードが味わいい深みを与える。飽きないから不思議だ。脂はそう強くなく、適度な臭みがソースと絡み、食べるという欲望、つまり食欲がこれ以上先がないところまで行き着く。つまり、至福の満腹感という終着駅だ。
仔羊
しかし、別腹用にチーズ、そしてデザートが続く。チーズの熟成具合にも細心の注意を払っているようだ。デザートはメニューの中から選ぶが、この日はオリーブのジェラートを。フルーツトマトの果肉とグラニテのグラタン仕立てになっている。
チーズ
随分と粘り強く物件を捜し歩いたと聞く。開店当初はいろんな意味でぎこちなさも残るが、そこは歴戦の料理人、自分のペースに持ち込むのは意外に早いのではないか。
デザート

ゲストが帰るになるときには厨房から出て来てお見送りをする小玉シェフ。「厨房ではまだまだテンパッっているので、ダイニングに出た時にすぐに笑顔に切り替えられないんですよね。」そんなこと気にしなくてもいいのに、とも思うが「自分の店」となるとこれまでとは気持ちの持ち方が変ったに違いない。しかし、何はともあれ、ふっくらとした小玉氏の表情は、今現在フランス料理の世界にいる料理人の中でもっとも"美味しい顔”をしていると言っても決して言い過ぎでもないだろう。
フランス料理
レストラン ヒロミチ(恵比寿)
東京都目黒区三田1-12-24
地図
電話:03-5768-0722
営業時間 
ランチ :11:30~13:30(L.O) ¥2,600~
ディナー:18:00~21:30(L.O) ¥5,600~
シェフ
小玉シェフと笹谷マネージャー
メニューの詳細はこちら
月休

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