ライト感覚のトロワグロ
日本でもミシュラン東京において星2つのレストランについては以前の記事、キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロに書かせていただいた。本国ではミシュランの三ツ星に40年もの長きに亘って輝き続ける未だ現役のレストランだ。小田急百貨店とも1984年以来長きに亘る付き合いでレストラン、ブティック、そして今年に入ってカフェがオープンした。インテリアはコンテンポラリーさを前面に打ち出している |
そのカフェ・トロワグロだが小田急百貨店の飲食フロアではなく、新宿西口のまさに真上、本館8階の通常の売り場の奥にひっそりと位置している。以前はテナントの喫茶店が入っていたところをすっきりとしたモダンなカフェに変身させたのだ。
立地も通常の売り場の中にあるせいか、夜でも蛍光灯の下を通り抜けて行き着かなくてはならない。ところが百貨店の売り場という現実世界からいきなりトロワグロワールドに入ることでちょっとした非日常を醸し出すのだから面白い。
1月のレセプションではサービス的にぎこちなさが気になってはいたのだが、その後何度か食事に出掛けるにつれ、ライト感覚のトロワグロキュイジーヌが感じられるようになってきた。カフェであり、レストランではない、料理は気軽だけど、隙がない、軽いんだけど余韻が長い、トロワグロマトリックスの中で使い勝手のいいポジションを占めているのではないだろうか。
値段も手頃なスパークリングワインだ |
料理は総じて軽めの仕上げでヘルシー感を感じるもの。開店にあたり本国からミシェル・トロワグロが来日し、メニューや試作にかなりの時間を割いて取り組んだと聞く。昨年のインタビューの際にもミシェルは力説していたが、日本には必ず年に2回来日し、レストラン、デリ、パンなど自分のブランドがついているものは必ず細かくクオリティをチェック。双方が納得するまで何度も議論、実践するという
ガラス向こうは新宿西口の夜景が広がり、緑とウッディな色合いのコントラストが妙に気持ちを落ち着かせる。カフェスタイルなので豪華なものでは決してないが品よくまとめられた店内はそれなりに心地よいものだ。