見よ、この桃色の恵みを |
北海道産仔羊
足寄と言えば松山千春、そして石田めん羊牧場の羊。品種はサウスダウン種と言い、肉質はとても良いものの繁殖や生育が難しい希少なもの。生後60日の生まれたて仔羊のローストはその色合いがすべてを語る。それを食す私たちはその自然と生産者に感謝し跪くしかない。少なくとも脂が乗りすぎた極上といわれる牛肉、それも屠殺前にはふらふらになって立っていられないほどの不健康で「高価な」牛肉を食べて幸せと感じてきた私の考えを変えさせるには十分な体験だった。石田めん羊牧場のサイトを見ると私は行ってみたくてたまらない衝動に駆られる。よし、次回はぜひ行ってみよう。
意外な郷土料理に楽しさ倍増 |
締め括りは10歳マトンの背肉のロースト。旨いのは脂、旨いのは肉。そのどちらも羊から滲み出たジュを纏い余計なものは一切なし。最後の最後に登場した羊はオーソドックスなものでありながら、今宵の料理の大千秋楽を迎えるにはこれ以上ない料理かも知れない。
脂が旨い〆の羊 |
もちろん、途中のグラニテ、そしてデザートもこれまた記憶に残るもの。今宵の料理はどんなシチュエーションであろうと一生語り合えるものかも知れない。
ラ・サンテは現在発売中のdancyuのP40で取り上げられている。シェフのユニークな一言が載っているのでぜひご一読いただきたい。
肩の力を抜いてくれる優しいデザート |
とは言え北海道の町の多くが繁華街のシャッターを下ろす過疎の過酷な現実。でもどこかで若い芽が出てそれが大きく育つはずだ。悲観するより少しでも明るいその先を信じて歩くしかない。私にできることはせめて北海道について書くことくらいか。
ブツブツと独り言を言ってしまったが、札幌のフレンチはまだまだ終わらない。翌日は東区にあるレストランでもシュミネ、ラ・サンテと同様、非常にクオリティの高い料理に感涙したのであった。
香りが沸き立つ瞬間だ |
■ラ・サンテ
札幌市中央区宮の森1条6丁目5-1 M1.6ビル2F
地下鉄西28丁目駅2番出口より徒歩5分
011-612-9003
Lunch(土・日・祝日のみ)
12:00~15:00(LO 13:30)
Dinner月~土
18:00~24:00(LO 23:00)
定休日:毎週水、第二休
できるだけ要予約
地図
*北海道に関する情報はオールアバウト北海道ガイドの小西由希さんのサイトをぜひご覧いただきたい。